キーワードは「変化の常態化」と「腹落ち」
入山氏は、両利きの経営を実践するためのキーワードとして「変化の常態化」と「腹落ち」を列挙。前者の具体例として、WiL創業者でベンチャーキャピタリストの伊佐山元氏の言葉を紹介する。

「大学の授業に彼を招いて特別講義をした際、ある社会人学生から『どうすれば伊佐山さんのようになれますか』という質問が飛びました。彼の答えは『今日の帰りに降りる駅を一つ隣に変えてみてください』です。この返答には目を見張りました」
両利きの経営、とりわけ知の探索が進まない背景には、未知の事態に対する恐怖心もあるだろう。いくらイノベーションの重要性を理解していたとしても、数千億円の投資を即断できる経営者は少ない。だからこそ「変化の常態化が必要」と入山氏は説く。最寄り駅の隣駅で降りる程度の小さな変化を積み重ね、未知の事態に接する習慣を日常的につけることで、恐怖心に対する耐性が獲得できるためだ。
