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価値を提供したい具体的なターゲット顧客を見極める

第7回

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ビッグデータで注目の予測技術と4つのセグメント特性

“ターゲット顧客”とセグメント属性とは?

ターゲット顧客とセグメントの属性図4.ターゲット顧客とセグメントの属性

 次に、「ターゲット顧客」と「セグメントの属性」のサンプルをみていくことにします(図4)。ターゲット顧客の顧客タイプは、個人、法人、その他コミュニティの3つに分類しておけば十分でしょう。

 セグメントは、ターゲット顧客をさらに細分化したものです。顧客が個人消費者の場合は、地理特性、人口動態特性、心理特性、行動特性という4つを特性として取り上げます。法人であれば、統計特性(規模や業界)、経済特性(売上や利益)、地理特性(地域や多国籍)などに分けることができます。

個人消費者における「4つのセグメント特性」

個人セグメント属性の変数サンプル図5.個人セグメント属性の変数サンプル

 ターゲット顧客が個人消費者の場合は、セグメント属性を「地理特性」、「人口動態特性」、「心理特性」、「行動特性」に分けて考えると便利です。

 地理特性と人口動態特性の2つの属性は、セグメンテーションの基本ですよね。幅広い地域や国でビジネス展開している企業は、地理特性によるセグメンテーションは必須です。また、保険のように取引する顧客を選択するビジネス、会員制ビジネス、会員カードを発行しているビジネスにとっては、人口動態特性を活用したセグメンテーションが必須です。

セグメント特性の予測精度とコストの関係 図6.セグメント特性の予測精度とコストの関係        心理特性と行動特性の2つの属性は、獲得の容易性とその情報の維持に難がありますが、上手く活用できれば他社に対する優位性につながる可能性があります。近年の「健康志向」、「安全志向」、「環境志向」といったキーワードは、顧客の心理特性に関係するものです。また、RFM分析(直近の購買、購買の頻度、購買金額)などは行動特性に基づいた分析といえます。
 地理特性、人口動態特性、心理特性、行動特性の順に、その情報の獲得と維持コストが高くつく一方で、顧客に関する予測精度も高まる傾向にあります。特に最近、顧客がソーシャルメディアに投稿したり、呟いたりした非定型かつ膨大なデータをマーケティングに活用する、いわゆる「ビッグデータ」が注目されているのはご承知のとおりです。

次のページ
ベルソナ分析などでも実証される「顧客セグメント」の有効性

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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