“ストーリー”としてのビジネスモデルの精度
次に、「価値提案」と「顧客インターフェースを構成する3つの要素」の関係性を、概念モデルを使って表現してみましょう(図2)。以前の記事でご説明したとおり、「価値提案は、ターゲット顧客に価値を提示する」、「チャネルは、価値提案を届ける」、「顧客リレーションシップは、ターゲット顧客を維持する」のように理解して下さい。
“八方美人”的なビジネスモデルは通用しない?
ピーター・ドラッカーはかつて、「事業とは何かを知る第一歩は、顧客は誰かを考えることである」と言いました。供給が需要を上回り、顧客ニーズが多様化している現代においては、全ての消費者ニーズを満足させ、顧客が抱える問題の全てを解決することができる事業体は存在しません。したがって、自社のターゲットとする顧客像をできる限り具体的にイメージすることが非常に重要になります。
また、ターゲット顧客が異なれば、その顧客と接するためのチャネルも、確立または維持したいリレーションシップも異なる場合があります。さらには、その収益性や獲得維持のコストも違ってくるでしょう。