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なぜDECORTÉは過去最高売上を記録? EC×OMO戦略の成功要因と体験設計フロー

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「KOSÉ ID」をブランド・チャネル横断の核に

 KOSÉ IDとは、ブランド横断でユーザー一人ひとりに発行されるIDのこと。2021年6月に本格的な運用を開始し、ユーザーの個人情報やデモグラといった顧客管理や購買履歴の管理、行動情報の把握などに活用していった。

 2023年にはECだけではなく店頭利用時でもKOSÉ IDを連携できるようにアップデート。「1つの顧客IDを軸に、百貨店やドラッグストアなどの全てのチャネル、そしてコーセーのブランドがつながり、その行動や購買履歴を管理できるようになりました」(命尾氏)と述べる。

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 こうして2024年からKOSÉ IDの本格的な分析・活用が始まった。

 「コーセープロビジョンが目指すのはLTVの最大化であり、究極の高ロイヤルティ企業になることがゴールです。KOSÉ IDの数に1人当たりのLTVを掛けたものが“売上”になります。LTVの最大化ひいては売上の向上を実現するために、あらゆるタッチポイントで、顧客体験を高度化することがポイントになると考えました。この“高度化”とは、必要な時、必要な量で必要な内容をブランドらしく届けることと定義しており、最もこだわっている点の1つです」(命尾氏)

データによる顧客理解、あらゆるチャネルのおもてなしの2本柱

 命尾氏によると、2021年にDECORTÉのECをスタートする際は、単に「販売チャネルを追加する」というスタンスではなく、「OMOの実現に向け、さながらまっさらな土地に都市を作るように、基幹ブランドであるDECORTÉブランドそのもののグランドデザインを設計し直した」という。

 その際に掲げたことは、「既存の取引先である店舗との関係」「ブランドとお客様の関係」「お客様の体験」の3つをアップデートすることだった。そのためにオンライン接客の体験を作る際には、それまでの店頭での接客体験もすべて作り変えたという。「オフラインのカウンセリング方法を作り直し、オンラインでできることをオフラインにも持っていくことで、一貫した高度な体験を実現できるように整えました」と命尾氏は説明する。

 こうした活動を強化するため、2023年から支援に当たってきたのがプレイドだ。

 その支援内容について、内山氏は「協業の目的は、データを活用して顧客の関与度と思いを深く理解すること、そしてあらゆる接点でのおもてなしを実現することの2つでした」と説明する。

 オムニチャネル戦略を進めるうえで、特にオンラインでの顧客接点において店頭レベルのおもてなしを実現することを重要視し、オンライン接客の実現に向けて同社の「KARTE」の導入をサポートしつつ、人的支援も行った。

プレイドがコーセー向けに実施した勉強会での様子
プレイドがコーセー向けに実施した勉強会での様子

 コーセー側の「EC担当者だけでなく、商品開発、マーケティング、店舗教育など様々な部門のメンバーが共通の顧客理解を持つことが重要でした」(命尾氏)との思いを汲み、そのためのデータ活用勉強会を実施。これにより、EC担当者だけでなく幅広い職種で共通の顧客理解を得られたという。

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顧客理解→育成ステップと必要施策の可視化まで実現

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社プレイド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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