2026年1月9日、デロイト トーマツは、AIサービスに関連する国内外の規制情報やその対応策を自動収集するAIエージェントを独自に開発し、AI規制対応支援サービスを強化したと発表した。本サービスは、数百に及ぶ国内外のAI規制やガイドラインを自動で収集・分析し、企業がAI技術や関連サービスを提供する際に遵守すべき法令の特定や対応策の提案を行う。
AIの利活用がビジネス成長を牽引する一方、AIによる事故や倫理問題などリスクも顕在化しており、AIガバナンスの重要性が高まっている。各国で導入・施行が進むAI規制に対し、企業は最新の法規制動向を継続して把握し、迅速かつ正確に対応する必要がある。しかし、規制の複雑化や頻繁な更新、リスクの多様化により、現場でのガバナンス体制の構築や実践が難しくなっている現状がある。
今回のAIエージェントは、まず対象AIサービスの機能や特徴を整理し、それに基づき関連規制情報をインターネット上から検索・収集する。次に、収集した情報をもとに、サービスが対応すべき規制事項の特定とそれぞれの対応策の提案を行い、最終的にAIガバナンス領域の専門家がレビューを実施する。エージェントへの入力はサービスの機能や内容のみで済み、関連する規制情報や難易度評価、対応策まで自動で取得できる。専門家によるレビューを経ることで、より精度の高い調査結果と対応策の提示が可能となっている。
本エージェントは、100回以上の自律的な情報取得と評価プロセスを組み込み、対象AIサービスや適用地域ごとに関連性の高い規制情報を抽出・整理する。また、規制間の優先順位付けや重複排除も行い、企業が必要とする情報を適切に提供する。初期の規制情報レポート作成にかかる時間は約30分に短縮されており、従来、専門家が1週間程度要していた評価結果に比べて約8割相当の精度に達している。さらに、専門家フィードバックを継続的にエージェントへ反映することで、長期的な精度向上も見込まれる。
デロイト トーマツは今後、AI規制対応にとどまらず、リスク評価やポリシー策定、運用体制構築、社内ガイドライン整備、人材育成支援など幅広いAIガバナンス課題に総合的な支援を提供していく方針である。自動車、医療、IT、製造など、さまざまな業界を対象とした規制対応とともに、企業のAI活用推進および適切なガバナンス実践に貢献する。
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