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「なぜ予実差が発生しているの?」 財務・管理・税務の会計をつなげて実績を捉えよ

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社内の意思決定に使う管理会計

 外部向けの会計である財務会計に対し、内部向けの会計が管理会計です。社内の経営判断や改善活動のために使うもので、経営企画の実務では最も重要な会計と言っても過言ではありません。これまでの記事でも触れてきたので、覚えている方も多いでしょう。

 管理会計の最大の特徴は、法律で定められた統一基準がないことです。財務会計の基準に縛られず、企業ごとに自由に設計できます。

 たとえば「部門別損益」や「プロジェクト別収支」を見たい場合。財務会計では企業全体の数字がわかれば十分ですが、実際の事業運営では部門やプロジェクトなど管理したい単位で区切ってPDCAを回すため、財務会計とは別の切り口で数字を作って管理する必要が出てきます。その結果、経営企画部門が扱う数字には「財務会計上の必須要件に基づく数字」と「社内管理の必要性に基づく数字」が混在します。

 管理会計では、財務会計以上に「この数字を何の意思決定に使うのか」を意識する必要があります。統一基準がないということは、あらゆるルールが無秩序に乱立しやすいということです。設計を誤ると、判断したいことが判断できない数字になりかねません。

 たとえば、製品ラインナップの中でプロダクトAの損益を見たいからといって、あらゆる費用にラベルを付けても正しい数字が見えるとは限りません。多くの場合、人員や設備などの費用は他製品と共有されており「プロダクトAのためだけの費用」を正確に切り分けるのは難しいからです。

 だからこそ管理会計では、目的から逆算してルールを設計することが重要になります。たとえば「製品ごとの採算性の把握」が目的なら、製品に共通する費用を人数比・売上比・工数比などで配賦し、損益を精緻に見ます。一方「製品の撤退判断」が目的なら、人件費や設備費などの固定費と製品撤退の因果関係を適切に把握した上で、それらを損益計算に含めるか判断し、回避可能な原価に絞ってシミュレーションするほうが実態に合います。

 管理会計で重要なのは、正しい数字を作ることではなく、意思決定につながる形で数字を設計し、使いこなすことなのです。

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財務会計と管理会計に影響する税務会計

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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