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「なぜ予実差が発生しているの?」 財務・管理・税務の会計をつなげて実績を捉えよ

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財務会計と管理会計に影響する税務会計

 予算では登場する機会が少ないものの、実績では存在感を増すのが税務会計です。外部に報告する会計である点は財務会計と同じですが、異なるのはその先の目的が「納税」にあることです。この違いが、利益の捉え方に影響します。

 財務会計は自社の健全性を外部に示すことが目的で、企業には「利益をできるだけ多く見せたい」というインセンティブが働きやすくなります。そのため、金融商品取引法などで定める会計基準によって、過剰な利益計上を抑える仕組みが整えられています。一方、納税が目的の税務会計では納税額を抑えるため「利益をできるだけ少なく見せたい」という動機が生じます。これらを防ぐために、税法に従った計算を行う必要があります。

 前述のとおり、財務会計とは異なる法律・基準に基づくため、税務会計上の利益と財務会計上の利益が一致するとは限りません。だからと言って、経営企画部門として認知する必要がないわけではなく、税務会計が財務会計や管理会計に影響する場面があります。

 財務会計上の純利益は「税引前当期純利益−法人税等」で決まりますが、この「法人税等」には、税務会計で算出される当期の税金に加え、税効果会計(財務会計の利益と税務会計の利益の差分調整)による調整額も含まれます。つまり、財務会計の結果は、税務会計の動きに影響を受けるのです。また、管理会計でも投資や撤退などを検討する際には、法人税等を織り込んで計算することがあります。

 税務会計は経営企画部門が主に扱う領域ではありませんが、純利益や投資・撤退判断に影響し得る以上「どの場面で税務会計を意識すべきか」は押さえておく必要があります。

三つの会計をつなげて実績を立体的に捉える

 このように三つの会計は、それぞれ独自の目的とルールで成り立っています。一方で、実務では完全に分かれているわけではなく、ところどころで交差します。

 「経営企画部門は管理会計を司る」というイメージを持たれがちです。実際それは間違いではありませんが、管理会計で扱う実績は、あくまでも財務会計の数字がベースになります。そのため、財管差(財務会計と管理会計の差分)は意識しておく必要があります。また、税務会計も無視できません。法人税等の計上を通じて純利益に関わるため、財務会計・管理会計の数字にも結果として影響を与えます。

 そのため、それぞれの違いと関わりを把握した上で実績を把握することが大切です。三つの会計をつなげて読むことで、数字を単体で眺めるよりも、企業の経営実態を多角的に捉えられ、改善策も検討しやすくなるはずです。

 次回は、今回も軽く触れた事業別損益の管理にフォーカスし「配賦」の意味とその方法を詳しく解説していきます。

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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