2026年5月29日、住友林業と京都大学発スタートアップのライノフラックスは、高効率木質バイオマス発電技術の社会実装に向けた協業を本格化すると発表した。両社は2025年9月から、ライノフラックスが開発した「湿式ケミカルルーピング技術」を用いた1kWプロトタイプ機による小規模実証試験を実施し、2026年4月に試験を完了した。
実証では、120時間以上の連続運転と目標とする発電効率、同時に99.9%の高純度CO₂分離・回収を達成したことが確認された。本技術は、従来のボイラー・タービンによる発電方式と異なり、燃焼を伴わず金属イオンを含む水溶液の化学反応で木質バイオマスから電力と高純度CO₂を同時に生成できる点が特徴である。水分の多いバイオマスにも対応可能で、小規模でも発電効率が高いなどの優位性を持つ。
今後は今回の成果をもとに、20kW級の実証試験設備の設計・製作・設置を進め、2027年10月以降に新たな実証試験を開始する予定である。この試験では、事業現場を想定した環境下での連続運転性や原料のばらつき対応力、発電やCO₂回収性能を検証し、社会実装に向けた技術および事業性の評価を行う。
ライノフラックスは発電技術や装置開発、実証設備の設計・製造・運用を担い、住友林業は木質バイオマス原料の安定調達や原料特性に関する知見の提供、未利用木材の活用など循環型仕組みの検証を進める。住友林業は、未利用木材から新たな需要を創出し、再造林と森林の若返りを図りながら、持続可能な森林資源循環とCO₂排出削減に貢献することを目指す。
2028年以降には、100kW級商用プラントの商用化を計画し、将来的には10~100MW級の大型プロジェクト展開も視野に入れている。これにより分散型エネルギーシステムやカーボンリサイクル分野での活用が期待される。
住友林業は、グループのバリューチェーン「ウッドサイクル」を通じ、バイオリファイナリー事業などで木質バイオマス資源の可能性を高め、社会全体の脱炭素化に貢献する方針である。
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