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「配賦」が事業の行く末を左右する 単なる費用配分で終わらせない実務のポイント

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費用の割り当て方法は「直課」と「間接費配賦」

 ここまで、企業経営における配賦の重要性を説明してきました。では、具体的にどのように配賦を行うのでしょうか。事業への費用の割り当て方法は2種類あります。

 一つ目は「直課(直接費の賦課)」です。先に述べた直課経費にあたり、費用を特定の事業に直接割り当てる方法を指します。二つ目は、複数事業にまたがる費用を一定の基準で割り振る「間接費配賦」です。間接費の配賦では、費用を段階的に割り当てていく「多段階配賦」を行う場合があり、企業規模が大きい場合や事業構造が複雑な場合に用いられます。

 配賦の基準は様々で「人員比率」「人件費比率」「売上比率」「リード獲得比率」「稼働時間比率」「占有面積率」などが代表例です。これらを費目の性質に応じて使い分けます。

 たとえば「機械の償却費を間接配賦する場合は稼働時間比率」「広告宣伝費を間接配賦する場合はリード獲得比率」といった具合です。また、多段階配賦でオフィス賃料を処理する際は、まずスペース占有比率で事業部門とコーポレート部門に配分し、その後コーポレート部門に配分された分を人員比率で事業部門に再配分する、という流れが考えられます。

安易な妥協が事業判断を狂わせる

 「基準を設けて精緻に配賦しようとしても、その事業が負うべき妥当な費用になるとは思えない」と感じる方もいるでしょう。実際そのとおりで、配賦に絶対の正解はありません。だからと言って安易に妥協すると、誤った事業判断を導きかねず危険です。

 たとえば、A社のa、b、c、d事業がそれぞれの製品を同じ工場で製造していたとします。工場全体の費用が100で、当初はこれを等分して各事業に均等に25ずつ配賦していました。ところがc事業とd事業はいずれも20しか売上が立っておらず、赤字のため撤退し、残ったa事業とb事業の負担がそれぞれ50に増えました。その結果、採算性が悪化したb事業が撤退すると、今度はa事業が費用100を負うことになり、a事業も撤退の検討を余儀なくされてしまいました。

 仮にこの費用が均等割りでなく、aが70、b~dはそれぞれ10の賦課だった場合、意思決定は変わっていた可能性があります。もちろんこれは極端な例ですが、事業の状態や周囲の環境は常に変化します。今行われている配賦を所与のものとして受け取るのではなく、実態や状況の変化に応じて妥当性を点検し、必要に応じて見直さなくてはなりません。これを怠ると配賦は誤った意思決定を導く材料になり得るのです。

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事業側と対立したときの乗り越え方

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

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