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経営企画サバイバルガイド

「配賦」が事業の行く末を左右する 単なる費用配分で終わらせない実務のポイント

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事業側と対立したときの乗り越え方

 「配賦は正解がない中でも妥当性を追求し続ける必要がある」と述べましたが、同時に事業責任者の理解を深める活動も欠かせません。事業責任者は配賦にシビアになりがちです。事業利益に責任を持ち、その成果が自分の評価にも反映される立場である以上、自事業の配賦負担を抑えたいと考えるのは自然でしょう。

 たとえば、A社がコーポレート業務のコストを人員比率で配賦していたとします。この場合、コンサルティング事業であるa事業は人員を多く抱えるビジネスモデルのため、負担が大きくなります。しかし、人員が多いからと言ってコーポレート部門への業務負荷が比例して増えるとは限りません。そのため、a事業責任者から配賦基準の変更を求める声が上がります。

 結局どのような配賦基準にしても、どこかの事業から不満は出ます。こうした調整に苦労している経営企画部門の担当者も少なくないはずです。だからと言って事業責任者のこうした指摘を単なる「わがまま」と捉えるのは違います。「配賦の基準は妥当か」「計上されている費用に削減余地はないか」といった問いは、配賦の精度を高め、意思決定に資する材料へと改善するきっかけになりますし、費用効率化の検討を促し、全社的な利益改善につながる可能性もあります。

 重要なのは、配賦のやりとりを対立の種にするのではなく、対話の入口にすることです。事業責任者が配賦の成り立ちを十分に理解しているとは限らず「とにかく配賦を下げられないか」と一方的に要求してくることもあるでしょう。それでも辛抱強く説明し「目的のためにどのような選択肢があるか」をともに考えるべきです。

数字を“つくる”のではなく“構造化する”

 経営企画部門の担当者にとって、配賦は大きな悩みの種になりがちです。経験したことがある人なら誰でも一度は「何のためにやるの?」「こんな面倒なことをしなくても良いのでは?」と思ったことがあるでしょう。

 しかし、配賦は各事業が分担する責任を示すために避けられない仕組みです。利益責任を適切な人に割り振り、事業を正しい方向へ導くために欠かせません。だからこそ、これまでのルールにしたがって盲目的に数字を“つくる”だけでなく、その基準の背景を理解した上で数字を“構造化”し、ときに実態に合わせるための提言を行うことが重要となります。

 今回は複数の事業を展開する企業を想定して配賦に関する解説をしました。次回はグループで事業を展開する企業をイメージしつつ、子会社管理のポイントを解説します。

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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