チームの自律と成長を引き出す4つの支援アプローチ
IJMを活用して乗り越えるべき壁や課題を明確にした後は、「いかにして課題を解決し、次のプロセスに進むか」という企業としての支援策を検討・策定していきます。
大前提として、イノベーター人材を中心とするチームが自律的に乗り越えられる課題であれば、チームを尊重して任せたほうが彼らの成長や自信につながります。過度な支援や関与はチームに甘えやノイズを生み、結果的に進捗や成果を悪化させてしまいます。
したがって、企業からの支援は以下の2点に集中すべきです。
- チームが自覚していない課題を客観的に発見し、フィードバックする
- チームが自覚していても、自力では解決できない課題の解決を支援する
そして、具体的な支援アプローチは大きく4つに分類されます。
実務的・業務的な支援
業務推進上の補助やサポートを行い、プロジェクトを着実に前進させます。新規事業の経験者が少ない組織では、この支援が必要になる頻度が高くなります。
心理的・精神的な支援
イノベーター人材の悩みを聞き、相談に乗り、解決に向けて伴走します。また、チームの行動や進捗に対してポジティブなフィードバックを積極的に行い、孤独なイノベーターの精神面を支えます。
能力的・スキル的な支援
研修やワークショップ、メンタリングなどを通じて知見やノウハウを提供し、イノベーター人材やチームの能力向上を図ります。自力で乗り越えられる範囲を広げるため、チームのスキルが未成熟な場合には極めて重要な支援となります。
物理的・身体的な支援
人手不足の際のリソース追加、業務効率化ツールや技術の提供、身体的負荷を軽減する労働環境やインキュベーション施設(ワークスペース)の確保などが含まれます。
新規事業開発の各プロセスで頻発する課題には、一定の共通点やパターンが存在します。どの課題の優先度が高くなるか、どのような支援が必要になるかは、イノベーター人材のタイプやチームの組織能力によって異なります。
先述した志向性や資質に加え、チームの状況を総合的に考慮することが不可欠です。そのためIRMの実践主体は、事業やチームの状況を日頃から深く観察・洞察し、それを管理・可視化する仕組みと環境を整えておくことが重要になります。



