人工知能が勝ち得た創造性
作品を作りあげたり、作品の良し悪しを判断したり、人工知能は人間が持つような創造性を勝ち得ようとしている。研究レベルでは、自動作曲などの研究は存在した。その作品、コンテンツの表現能力はおもちゃレベルであった。しかしながら近年の人工知能の作品、コンテンツの表現能力は、高まっていき、より人間らしく、より自然になってきた。
それを可能としている大きな要因は、作品、コンテンツのデジタル化だ。これまで芸術作品、コンテンツの多くは紙媒体などのアナログなメディアに蓄積されていることが多かった。それは人間が五感で作品、コンテンツに触れるのに最適であったからだ。ICT技術が発展するにつれて、そのような作品、コンテンツもデジタルデータとして復元したり、保持したりするようになった。デジタル化によって、作品やコンテンツは人間だけが楽しむものから、コンピュータが処理可能なものになった。コンピュータが処理可能なデジタルな形で保持されている作品、コンテンツが大量に増えれば、コンピュータはより人間と同じまたはそれ以上の作品、コンテンツに触れる機会が増える。大量なデジタル化された作品、コンテンツこそが、人工知能の創造力の源である。人工知能は大量な作品、コンテンツから、どのように新しい作品、コンテンツを作ればいいかを学ぶこともできるし、どういう作品、コンテンツが良いのかという判断もできる。今後、さらなるデジタル化が進めば、人工知能が新たな才能を開花させる可能性もある。