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i.lab流イノベーションマネジメント

テクノロジーの進化の先にある、コンサルタントに「残された仕事」にフォーカスする

i.lab 横田幸信氏 × 新隼人氏 × 村越淳氏 × 寺田知彦氏 特別インタビュー:後編

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 日本の大企業が新たな価値を創造し続けることにおいて、どのような可能性があるのか、そのために何が必要なのか――。本連載では、イノベーション創出・実現のためのコンサルティングファームである「i.lab」の気鋭の4名(横田幸信氏、新隼人氏、村越淳氏、寺田知彦氏)による、企業内の事業開発担当者へのインタビューを通じ、大きな組織に効果的な「イノベーションの手法」を探る。前回に続き、今回はi.labが提供するイノベーション・コンサルティングにおける目的や効果、実際の業務内容などについて伺った。

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顧客やプロジェクトとのマッチングは婚活と同じ!?

——設立より6年という短時間に、錚々たる大企業のそれもR&Dや経営企画室など、組織の中枢ともいえる部門から厚い信頼を獲得していらっしゃいます。もちろん御社のコンサルティングが評価されてのこととは思いますが、もし他に何か秘訣があるようでしたら教えていただけますか。

横田
 東京大学i.school(2017年度より一般社団法人i.schoolとして活動)の考え方や手法に対するスポンサー企業の共感は大きく、大変ラッキーなスタートアップであったことは間違いありません。アカウントを担当していただいている方の手腕によるところも大きいです。それでも最近は新しい出会いからご依頼をいただくことも増えてきました。たいへんありがたいことですが、やみくもにお引き受けするのではなく、「確信を持って効果を出せること」と「私たちの経験値になること」の両面から鑑みて、経験から知見を提供でき、未来への広がりを感じられる分野を積極的に受けたいと考えています。

 そうした案件と出会うためには、どんなに興味深い企業であっても、ドアノック型の営業では決して案件につながらないことが目に見えていますし、相手の様子も分からないので、アプローチは工夫しています。共感を持っていただける方と出会えよう、たとえばイノベーションをテーマにしたカンファレンスや勉強会等に出かけたり、「こんなことをやりたい」と知り合いに喧伝しておいて紹介してもらったり。ちょっとした立ち話から盛り上がって、お互いに相性がよさそうだと感じた時に、「ご提案に伺ってもいいですか」という形で改めてお時間をいただくという感じです。


 誰だってはじめからギラギラと“営業モード”での出会いには警戒しますよね。幸いi.labは大学という教育機関が母体であったので、あくまでアカデミックにオープンな形で、課題や考えていることを互いに意見交換していくうちに、「そのメソッドを自社で試してみたい」とご依頼いただくことが多いんです。

村越
 現在、私が担当しているLIXIL(リクシル)社の案件は、私が出品していたミラノでの産業用ロボットの展示会でお声がけいただいたのがきっかけです。その時は雑談レベルだったのですが、日本に戻ったら改めてお会いしましょうということになりまして。その時に、プロジェクトを担当されている方を紹介されたんです。

——「ひょうたんからコマ」のようなことが多いんですね。次に取り組んでみたい案件というのはどのようなものなのでしょうか。

横田
 まずは自分たちに知見があり強みがあると考える自動車や住居、ヘルスケアなどの業界で、なおかつロボティックスやAIなど次世代のイノベーションの起爆剤となりそうなものと関係する領域でしょうか。ただし、それ以外であっても、プロジェクトリーダーが大変魅力的な方で、こんな人と仕事をしてみたいと感じて案件に関わることも多いです。

横田幸信横田幸信 氏(i.lab Managing Director)
i.school ディレクター。NPO法人Motivation Maker ディレクター。九州大学理学部物理学科卒業、九州大学大学院理学府凝縮系科学専攻修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程中途退学。修士課程修了後は、野村総合研究所にて事業戦略や組織改革、ブランド戦略などの経営コンサルティング業務に携わり、その後、東京大学先端科学技術研究センター技術補佐員及び博士課程学生を経て現職。
イノベーション教育の先駆的機関であるi.schoolではディレクターとして活動全体のマネジメントを行う。現在は、イノベーション創出のためのプロセス設計とマネジメント方法を専門として、大学及び産業界の垣根を超えたコンサルティング活動と実践的研究・教育活動を行っている。近著に「INNOVATION PATH」(日経BP社)がある。

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