“失われた20年の深刻な影響”である「計画のグレシャムの法則」
1:社内の身近な経営資源しか使おうとしない
少し表現を変えれば、「社内の余剰資源をどう活用したらいいか」という「タスク処理型の作業」を多くの社員はやりがちです。そのことによって起こる弊害は、「計画のグレシャムの法則」と呼ばれる、大量のルーチンワークに没頭して長期的な展望とか革新的な解決策とかを考えなくなってしまう状態に陥ることです。多くの社員は会社の資源を最適化するように課題を与えられ、“答えを探す活動”が習慣化しています。よって、自ら社会課題を発見することには慣れていません。
そして、多くのの社員は入社からずっと不況下におり、既存事業のコストを抑制する習慣が染み込んでいるので、リスクをとって投資する経験も習慣もあまりありません。リスクが高い投資をすることに「抵抗を感じる」というよりも、やったことがないので「分からない」という感覚に近いと思います。他者の資源を活用するには投資が必要ですが、その感覚がないゆえに、自分の狭い視界にある自社の資源の中で活動を制限してしまうのです。