実証実験の概要
上場企業が実施する株主総会の議決権行使における実証実験は世界初となる。この実証実験では、希少性のあるトークン(デジタルアセット)を議決権として使用することにより、株主総会主催者であるインフォテリアですらデータ改ざんができない公正で透明性の高い投票システムの実現を証明したという。
ブロックチェーンには、プライベート・ブロックチェーン「mijin」を用い、使用サーバーにクラウド環境として、Microsoft Azureを、西日本、東南アジア、アメリカ西、ヨーロッパ北の4箇所で用いた。実証実験の参加人数は、289名で稟議の内容は、同社の第1号議案「定款の一部変更の件」と第2号議案「取締役4名選任の件」で、両議案ともこの実証実験では賛成として可決された。
プライベート・ブロックチェーンを用い主催者も改ざん不能に
インフォテリアは、2017年4月より「ブロックチェーン事業推進室」を設置してきたが、今回の実証実験もその一環。
今回の実証実験の特長は以下となる。
・基本技術としてプライベート・ブロックチェーンを用いていること
・株主毎に異なる票数を持つことを可能としていること
・議案毎に複数トークン(デジタルアセット)を同時に発行して集計が可能であること
・票数はリアルタイムで集計が可能であること(集計結果の開示は総会当日を予定)
・特別なアプリを必要とせず、PC、スマートフォン等から投票が可能であること
・票数の改ざんが株主総会主催者(インフォテリア)でも不可能であること
・投票期間内は24時間いつでも投票を受け付けられること
・将来的に、信託銀行などからのAPIによって株主情報を得ることを想定していること
なお、この投票はあくまでも実証実験であり、実際の株主総会の議決には反映されるものではないとしている。