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組織変革のための方法論「Positive Deviance」

組織での関係性を変え“ポジティブな逸脱行動”を普及させるPositive Devianceの方法論

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 前回、Positive Deviance (以下、PD)の哲学を、Positive Devianceの第一人者であり実践者であるアービンド・シンハル氏の講演内容からお伝えした。哲学としてのPDは人の可能性を信じる、特別なリソースがなくても問題を解決することはできる、人の心持ちや周囲との関係性を変えることができれば組織やコミュニティをよりよくすることができるというものであった。  では、具体的にはどうすればよいのか。PDを理解するには実践することが最も近道なのだが、多少のガイドが合ったほうが効率的なのは言うまでもない。今回は、方法論としてのPDを「4つのステップ」として説明する。また、次回は、どんな手法でも向き不向きがあることを考慮して、PDを事業活動に適用するための方向性を考えるために、イノベーションやマーケティングの文脈におけるPDを紹介する予定だ。

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ネガティブの解消ではなく、ポジティブの実現に目を向けるPDの哲学

 実践プロセスとしてのPDは、「Define(定義する)」「Determine(決定する)」「Discover(発見する)」「Design(デザインする)」という4つのプロセスで構成される。

 まずは解くべき問いを定義するDefine。最もPDの哲学を理解して進める必要があるのが、この最初のステップだ。問いが間違ってしまえば、間違った解決策を生み出し、解けない問題に永遠時間を費やすことになってしまう。

Positive Deviance

 問題定義における重要な概念が「Flip」(反転させる)だ。

ジェリー・スターニンジェリー・スターニン氏がよくしていたFlipのジェスチャー
写真:デイビット・F・ガッサー

 反戦デモへの参加を求められたマザーテレサは、「それは反戦のためのデモなのですね?」と何度も確認したあとで、「それでは私は参加しません」と答えた。反戦のためなのになぜと不思議がる人々にマザーは答えた。「それが、戦争反対のためのデモならば、私は参加しません。もし、それが平和のための行進であれば、私は喜んで参加します」と。

 反戦デモをどのように行うかではなく、平和の行進にどうやって皆を巻き込むかを考える。ネガティブをなくすことではなく、ポジティブを実現することに目を向ける。屁理屈の様に聞こえるかもしれないが、何を問題としてとらえるかはPDの最初のステップであり、その後の方向を決める。

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山田 竜也(ヤマダ タツヤ)

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