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行動観察でのサービスレベル向上は「組織文化」はカギ

大阪ガス行動観察研究所株式会社セミナーレポート:第2回

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行動観察は社会正義や通念のバイアスを退ける

 松本氏は、行動観察が有用な理由について「見えにくい自分自身の行動や状況を客観的に捉えることができ、具体的な改善策へとつなげられること」「社会通念や社会正義からのバイアスを排除できること」などをあげる。

 アンケートでは「トイレの後に手を洗った」「子どもに朝食を食べさせた」と答えている人も、実態は異なっていることも少なくない。そもそも顧客は“評価”は得意でも、解決策として“提案”をすることは苦手である。 つまり、企業は大変でも、観察された事実から本質を見抜いて、提案をし続けないといけない、ということである。

 行動観察のプロセスは、この事実の収集から始まり、それを再構成してフレームワークを作る中で気づきと洞察を得て、その洞察をもとにアイディアを考え、最終的なソリューションを創造する、という流れになっている。

 観察された膨大な事実という具体的な事柄からすぐにソリューションに行くのではなく、いったん抽象化してフレームワークとしてとらえることで具体的なソリューションを生む、という「急がば回れ」的な方法となっている。

行動観察のプロセス▲ 行動観察のプロセス

 また、病気の子どもがCTスキャンを受けるのは不安なもの。これまで大人は「大丈夫だから」と説得に入ってしまうが、フィリップ社の解決策は違っていた。その様子を行動観察した実態から、「スキャンを受けられるぬいぐるみ」を用意し、実際に子供がそれらのぬいぐるみをCTスキャンして、ぬいぐるみの内部画像を見ることで、CTスキャンの目的や安全性を学習するという経験をデザインし提供した。その結果、子供たちの不安を軽減することができた。

 このように「行動観察」を行った後、一度抽象化することで、問題を構造的にとらえ、抜本的な解決策を組み立てていくことができるというわけだ。

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飲食店における「サービススタンダード」の構築事例-触れないサービスを可視化する

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