価値共創の時代に注目される「行動観察」による顧客ニーズの抽出
松本氏はさらに、顧客から支持を受け続けるための「ブランディング」や、製造業のサービス化「サービス・ドミナント・ロジック」などを紹介。「モノづくりが価値づくり、価値共創へと変化する中で『行動観察』が役に立つと考えている」と語る。
この「行動観察」に基づいて行動観察研究所が提供するサービスサイエンスは、これまで個人の勘と経験に委ねられてきた「サービス」に科学的な視点や手法を投じていこうというものだ。まず現場で「観察」を行い、事実を把握し、「分析」して、改善のための「ソリューション」の3ステップを経ることで可視化して共有し、サービス改善や新たな価値創成へとつなげていく。
そこにはさまざまなメソッドや視点が盛り込まれており、たとえば「観察」でデータを収集する際に人間工学手法などを用いるだけでなく、「分析」や「ソリューション開発」では、人間工学やエスノグラフィー(集団や社会の行動様式をフィールドワークによって調査・記録する手法)、環境心理学、社会心理学、仕草や表情の分析などが取り入れられている。