「国務長官」という二枚目の名刺を持つ市長の仕事術は、“朝飯前の持ち寄り”という強みの掛け算

第4回対談ゲスト 岐阜県飛騨市 市長 都竹 淳也さん:中編

 「トラリーマン(会社員のトラ)」という働き方は、公務員という職種においてもその威力を発揮するようだ。県職員時代からパワフルに新たな仕事を切り拓いてきた飛騨市長・都竹淳也(つづく・じゅんや)さんが実践する仕事の流儀は、「ゴールを描く」「ポジティブな言葉をかけ合う」「強みを活かし合う」だという。ナビゲーターは、楽天株式会社 楽天大学 学長の仲山進也さん。全3回の第2回記事をお届けする。今までの連載はこちらから。

[公開日]

[語り手] 都竹 淳也 仲山 進也 [取材・構成] 宮本 恵理子 [写] 長谷川 梓 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 事業開発 トラリーマン 会社員の虎

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

理想の状態を絵として思い浮かべる逆算思考ができるのは「現場体験の蓄積」があるから

仲山進也氏(以下、敬称略):組織の中で、やりたいことをやるための方法はあるんですか?

都竹淳也氏(以下、敬称略):あると思います。例えば、企画を通す時に「ご説明があります」とノックされると、上司はつい身構えて「説明に来たからにはどこかにケチをつけて追い返さないと」と対応しがちですが、「これ、すっごい注目されると思うんですよ!」とポジティブな言葉から入られると、「へぇー!」と乗りやすくなる。組織にいる人間ってやはり自分の成果を求めるので、「これやると成果出ると思いますよ」と持って来られると「よし、やってみるか」とその気になるんですよ。

仲山:たしかに「説明」って言われると、なんか説得しにきた感じがしますもんね。これまでの話の中で何度か「はじめに絵が浮かぶ」という話がありましたが、それができるようになるには?

都竹:絵を描く力って、現場を知らなければ磨かれないと思います。机にかじりついているだけだと絵は決して浮かばない。だから、外に出て違う立場の人とたくさん喋ったり、現場の様子を見にいくという体験の蓄積が大事だと思います。

僕の場合は秘書時代に最初に仕えた梶原拓・前知事が本当に現場を大切にする人だったので、様々な場に随行する経験からたくさん学ばせていただいたことが大きかったですね。楽しいゴールが描ければ、目指すところがはっきりするし、何よりモチベーションが高まるんじゃないでしょうか。

仲山:名刺交換に盛り上がる現場を見たからこそ、次の「懇親会で語り合うコミュニティができる」というゴール映像が浮かぶ。

都竹:そういうことです。「ああ、皆さんはこういうことが嬉しいんだ。だったらこういうことをやったらもっと喜んでもらえるんじゃないか」と筋道が立つ。役所は優秀な人ほど机に張り付かせがちなんですが、僕は「もっと外に出ろ」「人と会え」「飲みに行け」と奨励しています。

都竹淳也都竹 淳也さん(岐阜県 飛騨市長)
1967年岐阜県飛騨市生まれ。1989年筑波大学卒、岐阜県庁入庁。自治体国際化協会シンガポール事務所所長補佐、梶原拓・古田肇知事秘書、総合政策課・商工政策課課長補佐、障がい児者医療推進室長を経て、2015年12月に岐阜県庁を退職。2016年3月、飛騨市長に就任し、現在1期目。「元気で、あんきな、誇りの持てるふるさと飛騨市」づくりを掲げ、幅広い分野でのまちづくりを進めている。

バックナンバー