SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

社会人が大学院で研究する意味 (AD)

宇田川先生が聞く「社会人による研究の意味」──ベテランビジネスパーソンは大学院で何を得たか

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

営業や金融に30年以上携わったベテランは、何を求めて大学院の門を叩いたのか

宇田川 元一氏(埼玉大学大学院 准教授、敬称略):私は小笠原さんの論文の主指導を担当していますが、そもそもなぜ、大学院に来ようと思われたのですか?

小笠原 義成氏(以下、敬称略):私はIT関連の大企業におりますが、過去に30年以上営業をやりました。管理職として、東京や地方で製造業や流通業のお客様を担当してきたんです。その後3年ほど営業の販売推進の仕事を経て、営業部門の中にリスクマネジメント室を立ち上げました。

リスクマネジメント室を始めた目的は、営業部門と法務部門の間に入ることで契約審査をスピードアップする、といったことでしたが、最初は苦労しました。

営業での経験が役立つ面もあるのですが、それ以上の専門性と幅広い知識が要求されるのです。法律や会計、情報セキュリティ、細かいところでは個人情報保護法やマイナンバー……。そういったことを独学で学ぼうとするうちに、一度体系だった学習をしてみたくなって、大学院を受けてみようと思ったのです。

小笠原義成小笠原 義成氏(埼玉大学大学院 在校生)

宇田川:木内さんは、修士課程を経て博士課程も修了され、今は非常勤の講師もされているんですよね。どんなきっかけで大学院に来られたのでしょうか?

木内 卓氏(以下、敬称略):私は、今は関連会社に転籍して管理職をしていますが、リーマンショックのとき、メガバンクの財務担当者として、まさに激動の渦中にいました。

大学院に来る動機が生まれたのは、その後です。金融危機の再発を防ぐために金融規制を強化しようという議論が国際的に盛んだったとき、民間銀行の担当者として、金融庁や日銀の人などとその議論に参加したのです。日本の立場を主張するという役割でしたが、海外の議論が経済学の知見を背景とする根拠も示して主張してくるのに対し、充分に論拠を示して反駁することがなかなかできなかった……。それから10年経って銀行の第一線を退いたとき、当時の悔しい気持ちを思い出し、「あのときに気になっていたことを研究したい、あらためて深めたい」と思ったんです。それで、2015年に修士課程に入学しました。

木内卓木内 卓氏(埼玉大学大学院 卒業生)

宇田川:リーマンショックから6~7年経っても、その思いが消えなかったんですね。

木内:強烈な体験だったんです。リーマンショックが起きたのが2008年9月。その後に金融規制を抜本的に強化しようという議論が起き、「バーゼル3」と言われる最初の合意に達したのが2009年の12月です。その1年で大きな変化に直面したので、当時感じたことを改めて深めたいと思ったわけです。

次のページ
「実務家の直感」を“説得力をもって語れない悔しさ”が研究の原動力に

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
社会人が大学院で研究する意味連載記事一覧

もっと読む

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング