「テクノロジー」×「人とコミュニティの創造性」で紐解く“リヴィングテクノロジー”の可能性
「ALife 2018は終わりじゃなく、どちらかというと始まりです」と岡が言うように、今年のカンファレンスは、池上が言うところの「新しいALife」から生まれる技術や視点を社会に広めていくためのスタート地点になったといえるだろう。
もちろん、AI研究がたびたび通ってきたような「冬の時代」が再びALife研究に訪れないとは限らないし、たとえALifeという技術や考え方が(いまのAIのように)社会に根づいたとしても、あらゆるテクノロジーと同様、ALifeの技術も悪用されれば負の影響を及ぼす存在になりうるだろう。たとえばAI脅威論で語られるようなディストピアは、そのままALife脅威論としても成り立つことになる。「冷酷で邪悪な機械や、遺伝子工学でつくられた悪意のある生き物が人間を圧倒する、という悪夢のようなシナリオを想像するのは簡単だ」。米国の物理学者ドイン・ファーマーはかつてそう書いている。