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人類はロボット化するべきだ──アンドロイド研究の鬼才・石黒浩が語る、来るべき「ヒトと進化」のかたち

特別編2:人工生命国際会議「ALIFE 2018」レポート 大阪大学教授 石黒浩氏

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 ロボットはどこまで人間に近づくことができるのか。そして、ロボティクス技術がますます進化するなか、これからの人類はどこへ向かうのか。
 人工生命国際会議「ALIFE 2018」のキーノートスピーカーとして登壇した大阪大学教授でマツコロイドなどのアンドロイド開発者として知られる石黒浩氏が、ヒトとロボットのインタラクションに関する研究成果と、彼が考える“来るべき人類の進化”について語った。  

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PHOTOGRAPHS COURTESY OF ALIFE Labs. (BY-NC 3.0):記事TOP写真

ロボット工学から考える「人間の条件」の2つの仮説

 自身にそっくりな姿をしたアンドロイド「ジェミノイド」や自律型対話アンドロイド「エリカ」といったロボットをつくり続けるアンドロイド研究の第一人者の石黒氏は、自らの究極の目標を「トータルチューリングテスト」をパスするようなロボットをつくることだと語る。

 アラン・チューリングが考案した機械と人間を区別するためのチューリングテストはコンピュータースクリーン上での返答によって行われるものだが、石黒氏が目指すのは、その姿形、動作、会話のすべてが人間を見分けがつかないロボットをつくることだ。「いつこの目標を達成できるかはわかりません。しかし、いつかはたどり着くことができるでしょう」と彼は言う。

 こうした「人間のようなロボット」を開発することが彼の目標だが、そのためには同時に、「人間とは何か?」を理解する必要がある。そのために彼が用意した問いは以下の2つである。

  1. 人間はどのようにロボットを認識するか?
  2. 人間の存在を認識するための最低限の条件は何か?

 ひとつ目の問いの答えを探るために石黒氏がつくったのは、年齢や性別のないニュートラルな見た目をした遠隔操作型アンドロイドの「テレノイド」だ。「このシンプルなロボットを前にすると、人々は自分のイマジネーションを使います」と彼は言う。そしてこの欠けた情報を補うために使うイマジネーションは、しばしばポジティブな方向に働くという。つまり誰でもないテレノイドを前にして、人は「好きな相手」を想像しながら話せるというわけだ。人と会話をするのが得意でない認知症の高齢者が、テレノイドに対してはよく話したという事例もあるそうだ。

Telenoid:Lesson from abroad

 ふとつ目の問いを考えるために石黒氏がつくったのは、抱き枕型の通信メディア「ハグビー」。人のような形状をしたビーズクッションで、頭部にスマートフォンなどを入れることでハグビーを抱いたまま通話することができるというものだ。彼らの研究では、このハグビーを抱えたまま話をすると、ハグビーなしの状態に比べて人はよりリラックスすることを発見したという。

 そこから石黒氏は、「音声と接触」や「音声と匂い」といった「2つの感覚」が存在することが人間の存在を認識するための最低条件なのではないか、と仮説を立てている。実際にハグビーを小学生に使ってもらい先生の声を抱き枕を通して聞かせたところ、騒がしい教室が一変して静まり返り、みながおとなしく話を聞くようになった映像を石黒氏は紹介(その様子の変わりぶりに会場は笑いに包まれた)。生徒たちは「先生の存在」をより近くに感じられることで集中できているからだと石黒氏は説明する。

ハグビーによる読み聞かせ

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