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トラリーマンに学ぶ「働き方」

クリエイティブな仕事が増える時代に合った、小さな成功と失敗を繰り返せる「アジャイル型組織」を目指して

第14回対談ゲスト:ソニックガーデン代表取締役社長 倉貫義人さん【後編】

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 トラリーマンとは「会社員の虎」。「組織の中にいながら、既存の枠にとらわれず突き進み、社内外で価値を生み出していく」という新たな働き方として、注目を集めている。その名付け親である、レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者の藤野英人氏がトラリーマンの“モデル1号”に認定した楽天大学学長の仲山進也氏だ。当連載では、その仲山氏が気になるトラリーマンたちを訪ねながら、その働き方の極意や共通項を探る。  連載の14人目に登場するのは、大手システム会社に15年ほど勤め、自ら立ち上げた社内ベンチャーをMBOして独立を果たした倉貫義人さん。トラリーマンがつくった「管理ゼロ」の組織のねらいとは? 全3回の後編。

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合併でピンチ!? 新社長とのランチで事業プランをプレゼン→社内ベンチャー立ち上げへ

仲山進也氏(以下、敬称略):「サラリーマンの世界はドラクエに似ている」っていうハナシ、超面白いです(笑)。冒頭に「コミュ力が全然なかった」と言われてましたけど、この頃にはかなりコミュ力アップしてますよね。

倉貫義人氏(以下、敬称略):一連の出来事で勉強させてもらって、めちゃくちゃレベルアップさせてもらえたんですよ。プログラムしか書いたことのなかった人間が、パワポやエクセルを駆使して役員向けの提案書を書けるまでになりました。

 ただ、この後も一波乱あって、オープンソース化の決議が通ったのが3月末で、その翌月にTISが別の会社と経営統合して社長を含めて役員半分以上が入れ替えになっちゃったんですよ。事業化の話を通すには、またボスを倒していかないといけない。「ドラクエ1をクリアしたと思ったら、ドラクエ2かよー!」という感じでした(笑)。

 ラッキーだったのは、合併してすぐに新社長が「面白い社員と社長室でランチをする」というキャンペーンをしていて、すでに僕のことを知ってくれていた役員が「チャンスかもしれないから、倉貫を推薦しておく」とつなげてくれたんです。社長とランチが設定されると、秘書から電話がかかってきて「お弁当を用意します。好き嫌いはありますか?」と聞かれたんですね。「好き嫌いはありませんので、プロジェクタの準備だけお願いします」と答えました。

仲山:「降ってきた機会を最大限に生かす戦略」を再び?

倉貫:はい。「これまでやってきたことを話します」と自己紹介に見せかけて、これからやりたい事業のプレゼンをしたんですよ(笑)。世の中のクラウド化の流れを考えTISとしてぜひ始めるべきだと。すると社長が「いいんじゃない? どうせなら子会社を作ってやりなさい」とまでおっしゃってくださり。とはいえ、合併直後でいきなり子会社化は難しかったので、急遽社内ベンチャーの仕組みが整えられて第1号案件になりました。

仲山:ステキな展開!

倉貫:立ち上げの際には一つだけ会社に条件をお願いして、それはメンバーの公募を出す権利をもらうこと。その権利を得た後に、こっそりと戦場で疲弊しながらもなんとか生き延びていた藤原くんのところにいって、「今度こういう事業を始めることになって公募を出すから、よかったらまた一緒に仕事をしよう」と声をかけ、彼も応募をしてくれました。

仲山:おおお、そういう経緯で藤原さん(ソニックガーデン副社長)と再結集できたんですね。

倉貫:そうなんです、そのタイミングで一度は離れた彼が戻ってきてくれて、そこから上司と部下ではなく、対等の関係になれたんですよね。

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