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パナソニックに学ぶ、事業と組織がリンクする“生成的”な組織開発とは?

ゲスト:パナソニック 株式会社 A Better Workstyle編集局 前川 督之氏、大西 達也氏【後編】

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組織トップの「スポンサーシップ」を確保する

スコラ・コンサルト 三好博幸氏(以下、敬称略):最近日本でも、専任体制を設けて全社的な組織開発に取り組もうとする企業が増えていますが、そうした企業にとって参考になるポイントと思われることをお願いします。

パナソニック 前川督之氏(以下、敬称略):パナソニックでは2017年秋から「A Better Workstyle=働きがい改革」という全社活動を展開しています。

南山大学 中村和彦教授(以下、教授):まず大事だと感じたのは、事業部長以上全員が集まる研修会で組織開発の意味を伝えている点です。上層部に意味を伝えていることは非常に大切です。経営層の巻き込みに関して、もう少し詳しく教えてもらえますか。

パナソニック 大西達也氏(以下、敬称略):毎年11月23日勤労感謝の日に全役員、事業部長が集まって「創業理念研修会」をやっています。もともとは創業者の命日に、創業者をしのびつつ、その経営理念を学ぶ会だったんですが、せっかく幹部が集まるなら別の意味を持たせる場にしたいと、現社長の思いにより今は勤労感謝の日に実施しています。午前中に創業者のビデオを見たり、ゲストを他社から呼んで話を聞いたりして、午後は社長とカンパニー社長と事業部長で、前川、大西が進行役となり、グループで対話をします。

三好:その際に、経営課題に対して組織開発がどういう意味があるかという啓発パンフレットを毎年配られているんですよね。

中村:僕の私見ですが、多くの企業の現在の経営陣は、バブル崩壊以降、まず業績を上げるために頑張ってきた方たちですよね。業績を上げるための効率化を重視して、時間がかかる対話なんか無駄だって思っている方が多いと思うんです。そういう方たちに、創業理念との関わりで対話の大事さを感じてもらったり、組織開発に関心を持ってもらったりすることはとても大事だと思いました。部署で組織開発をやる意味があって取り組んだとしても、その上の事業部長が組織開発の意義を理解しておらず、反対することも結構あるんですよね。

前川:「創業理念研修会」の場は、「創業からの理念」や「対話による組織開発」を理解・体験してもらう意味で、すごくいい場だと思うんです。

 解決しなければならない組織の課題認識は皆さんすごく持たれていて、その方法論として、組織開発とかABWs(A Better Workstyle=パナソニックの働きがい改革)が大事だということが浸透してきていると感じています。

三好:組織開発とか風土改革の経営的な意味を理解してその活動をサポートしてくれたり、積極的に社内にメッセージを発信して意味付けしてくれたり、展開がしやすい環境をつくってくれることを、われわれの言葉で「スポンサーシップ」っていう言い方をしていますけど、これがない組織では大きな展開がつくれません。

 なので、まず組織開発の取り組みを始める時に、社内で「スポンサーシップの影響力」があるところはどこか、誰かを考える必要があります。パナソニックの組織開発を立ち上げる時にお二人ともいろいろ相談をしたのは、やっぱり「事業部長」だと。実質的に事業と組織に対して責任と影響力をもっている事業部長がスポンサーシップを発揮していただければ、全社的に展開が可能だという発想でスタートしています。

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