タイヤ業界トップのブリヂストンが描く将来像
タイヤ業界においてグローバルの中でもトッププレーヤーであるブリヂストン。多角化事業も進めている中、売り上げの8割がタイヤ事業を占めている。業績・利益ともに好調で順風満帆とも思える同社であるが、三枝氏は、2019年1月にラスベガスで開催されたCES2019(コンシューマー エレクトロニクス ショー)の様子を見て、変革の必要性をさらに強めたという。
有人型のドローンの実機を展示していたヘリコプター企業は、2022年にはアメリカで商用運転を開始し、ヘリコプター企業からオンデマンド型のトランスポーテーションカンパニーへ転換すると明言していたのだ。
将来的に“地上を走る“だけではなく、“空を飛ぶ”も移動手段の選択肢に入ってくるとすると、ブリヂストンの主力であるタイヤはどうなるのだろうか。三枝氏は、
すべての車が空を飛ぶというわけではないにしても、自動車・鉄道・ドローンや飛行機などを組み合わせたマルチモーダル型のモビリティサービスは間違いなく台頭してきます。今まで通りのプロダクトサプライヤーのスタンスではこの先の成長は望めません。これからは顧客の課題を解決する新たな価値創出をするソリューションプロバイダーを担っていこうと決めて取り組んでいます。
と、モビリティにおけるタイヤの位置づけが変わるかもしれない未来を見据えている。
では「タイヤを製造する企業がソリューションを提供する」とは、どういうことなのだろうか。三枝氏は、ブリヂストンが仕掛ける新たな価値創出について、その概要を話した。