インタビュー カスタマーサクセスの実践知

顧客の可視化が全社にもたらす“改善”──顧客の成功を定義し、状況を整理するために必要なこと

第4回(後編) ゲスト:株式会社ビズリーチ 鈴木雄太さん、HiCustomer株式会社 高橋歩さん

 日本でもSaaS企業を中心に多くの企業が取り組み始めている顧客との関係構築手法「カスタマーサクセス」。実際にカスタマーサクセスを取り組み始めると突き当たる課題があります。本連載ではその課題を「オンボーディング」「顧客の可視化」「売る」「イベント・コミュニティ運営」「カスタマーマーケティング」の5つに分け、ベルフェイス株式会社の小林泰己氏と先進的に取り組んでる方の鼎談を通じて、実戦知として紹介していきます。
 今回のテーマは「顧客の可視化」。株式会社ビズリーチで採用管理クラウド「HRMOS採用」のカスタマーサクセスをリードする鈴木雄太氏、カスタマーサクセス管理プラットフォームを提供するHiCustomer株式会社の高橋歩氏をゲストに迎え、カスタマーサクセスの起点となる顧客の可視化について議論しました。各社の「顧客の可視化」方法を紹介した前編に続き、後編では3人のたどり着いた考えについて紹介していきます。
※鼎談は2019年9月26日に実施しました。

[公開日]

[語り手] 鈴木 雄太 高橋 歩 [聞] 小林 泰己 [取材・構成] フェリックス清香 [写] 和久田 知博 [編] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

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なぜ「顧客の成功」の定義に失敗する企業が多いのか

小林泰己氏(ベルフェイス株式会社、以下敬称略):HiCustomerさんは「顧客の可視化」を顧客の成功までのライフサイクルによるステージ制で把握していらっしゃるし、それを自社の顧客にも勧めているという話でしたね。しかし、先ほど高橋さんは「顧客の成功」を定義できない企業の方も多いとおっしゃいました。どういうことでしょうか。

高橋歩氏(HiCustomer株式会社、以下敬称略):私たちのお客様は企業内でカスタマーサクセスを担当している方々ですが、「ゴールを考えましょう」と伝えると、最初に継続率に言及する方が非常に多いです。しかし、継続率は企業側の視点であって、ユーザーにとっては「製品を使い続けること」は決してゴールではないですよね。

小林:製品サービスのコアバリューは何かという視点が抜けてしまいがちということですね。

鈴木雄太氏(株式会社ビズリーチ HRMOS採用事業部、以下敬称略):「顧客の成功」ということは、お客様ごとにゴールが異なるのではないでしょうか。たとえば、HRMOS採用はエージェント管理機能が好評で、その機能をご利用いただいているお客様の継続率は非常に高いです。一方で、エージェントだけに注力せず、採用マーケティングの実行に注力するお客様もいる。先ほど紹介した取り組みでも、目標設定はお客様のゴールに合わせて個別に設計しています。

小林:ベルフェイスはシンプルなプロダクトなので違いますが、マルチプロダクトになったり、複数の使い方ができるプロダクトになったりすると、異なるゴール設定をする必要が出てきそうですね。ある程度は分類できるのではないでしょうか。

高橋:顧客の状態がきちんとわかれば、顧客を分類でき、分類ごとに必要なタイミングでアクションがとれるようになります

株式会社ビズリーチ HRMOS採用事業部 カスタマーサクセス部 部長 鈴木雄太氏株式会社ビズリーチ HRMOS採用事業部 カスタマーサクセス部 部長 鈴木雄太氏

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