網羅性よりn=1のインサイト、ヒトの内面性より状況やモノとの関係性
ポイント2:データの網羅性・正確性・信頼性を求めない
マーケティングリサーチPJでは、調査という仕様の特性上、1回の調査の中でいかに網羅的にデータ収集できるかというリサーチ設計になりがちだ。データの網羅性は説得材料にもなるし、何が結果につながるかわからない段階では網羅的に収集することは重要になる。一方で、デザインPJにおけるリサーチでは、網羅性よりも、ひとつでもいいので、発想の可能性を感じてわくわくするような、インスピレーションが生まれる情報を得られるかがリサーチのポイントになる。信頼性の高いデータを正確に精緻に収集するのではなく、具体的な発想やデザインにつなげていくという課題意識のもとに吸着される情報だ。ただ、一連の調査から得られたそれらのインスピレーションを、発想やデザインにどう活かしていくかは、デザイナーの腕次第となる。