2020年版の「先進テクノロジのハイプ・サイクル」では、1,700を超えるテクノロジを分析した上で知見を抽出し、30の先進テクノロジおよび5つのトレンドとして簡潔にまとめている。このハイプ・サイクルでは、今後5~10年にわたり、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジにとりわけ注目している。
5つの先進テクノロジ・トレンド
デジタル・ミー
テクノロジと人の統合が進みつつあり、デジタル・パスポートやソーシャル・ディスタンシング・テクノロジなど、人をデジタルで表現する新たな機会が生まれている。
注目すべきテクノロジの例として、ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジ、ヘルス・パスポート、人のデジタル・ツイン、シチズン・ツイン、マルチエクスペリエンス、双方向ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)を挙げている。
コンポジット・アーキテクチャ
コンポジット・アーキテクチャは、ビジネス・ケイパビリティ・パッケージで構成されるソリューションによって実装される。組み込みのインテリジェンスは分散されており、エッジ・デバイスやエンドユーザーなどの外部にまで拡張されている。
アジャイルな組織になるためには、コンポーザブル・エンタプライズ、ビジネス・ケイパビリティ・パッケージ、データ・ファブリック、プライベート5G、組み込み型人工知能(AI)、エッジにおける低コストのシングル・ボード・コンピュータなどのテクノロジを注視すべきとしている。
フォーマティブAI
状況の変動に応じて動的に変化できる、一連の先進的なAIと関連テクノロジを指す。
AIの境界線の探求を目指す企業は、AI拡張型設計、AI拡張型開発、オントロジ/グラフ、スモール・データ、コンポジットAI、アダプティブな機械学習、自己教師あり学習、生成的AI、敵対的生成ネットワークを検討すべきだという。
アルゴリズムによる信頼
責任ある権限に基づく信頼モデルは、データ、資産ソース、個人とモノのアイデンティティについてのプライバシーとセキュリティを確保するために、アルゴリズムによる信頼モデルに転換しつつある。
アルゴリズムによる信頼に関連する先進テクノロジの例として、セキュア・アクセス・サービス・エッジ(SASE)、差分プライバシー、来歴の認証、個人所有アイデンティティの業務利用(BYOI)、責任あるAI、説明可能なAIを挙げる。
シリコンの先へ
テクノロジがシリコンの物理的な限界に近づく中、新たな先端素材が、テクノロジの加速と小型化を可能にする画期的な機会をもたらしている。
検討すべき重要なテクノロジの例として、DNAコンピューティング/ストレージ、生物分解性センサ、カーボン・ベースのトランジスタが挙げている。