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濱口 秀司 連続インタビュー

濱口秀司氏が語るデザインファームの今までと次の一歩

monogoto 濱口 秀司 氏インタビュー:第4回

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「何をどうデザインするか」によるデザインファームの分類

--最近、デザイン会社がビジネスというコンテクストの中で語られることが増えています。これはなぜでしょうか。

 まず、世の中一般にあるデザインファームを分類してみましょう。分類方法は冒頭の図のように単純なものです。

 縦軸に「何をデザインするか」という“What”を、横軸に「どうやってデザインするか」という“How”を置きます。横軸は、「天才(g)」と「グループ(G)」に分けます。小文字のgは「genius」のgで、アーティスティックで天才的な人を表します。大文字のGは「Group」で、一人の天才的能力に頼るのではなく、複数人でデザインプロジェクトを回すことを表します。

 大きな違いは、背後にプロセス性が少ないのが天才プロセスがあるのがグループです。天才は他人に頼らず一人で勝手にデザインしている。グループになると異なる強みを持った複数の人間がいるので、たとえばリサーチャーとデザイナーがどう協力するか、デザイナーが5人集まったときにどうやって1つのアイデアに集約するかなどについて、何らかのやり方、プロセスがないとマネジメントができません。

 一方、縦軸は単純に「見た目のデザイン(d)」と「広義のデザイン(D)」に分けます。小文字のdは日本語で解釈されている、いわゆるデザインで、商品やロゴ、広告や店舗における形や美的スタイルを作ることを指します。大文字のDは、デザインという言葉が本来持つ広義の「設計」という意味で、 ビジネスにおける問題解決やコンセプト・戦略・マーケティングの設計を指します。

 ちなみに、4分割図の左上に入るのは、イメージとしてはレオナルド・ダ・ヴィンチのような究極的にマルチなアーティスト兼、戦略家のような人です。アーティスティックなことでも戦略的なことでも、一人で何でもできる天才ですから、世界的に見て数は非常に少ないと考えてください。

デザインファームの分類デサインファームの分類
© Hideshi Hamaguchi

 さて、世の中にあるデザインファームはこの4つに分類されるわけですが、星の数ほどある世界中の99%のデザインファームは、いまだに図の左下、いわば才能あるデザイナーが率いる小さなブティックに属しているといえるでしょう。

小さなブティック型のデザインファームデザインファームの発展1
© Hideshi Hamaguchi

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