「デザイン思考×ビッグデータ」は認識共有から始めよ

第3回

 前回は、デザイン思考のうえにビッグデータをのせていくには、どのようにすればいいのかに関して、その第一歩となる内容について述べた。第3回の今回は、デザイン思考プロセスでの取組み、ビッグデータ分析の取組に共通するありがちなプロセスの失敗、その原因、対策などを述べる。

[公開日]

[著] 安松 健

[タグ] デザイン思考 競争戦略 データ・アナリティクス PR

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

いきなり「顧客調査・分析」をしてはいけない理由

 デザイン思考を進めようと、いきなり顧客観察やインタビューを始めてはいないだろうか

 「人間中心のアプローチ」ということで、とりあえず「顧客調査・分析」をスタートさせてしまうと、焦点が定まらず、「問題定義」につながる顧客インサイトやニーズの抽出に至らないということになりかねない。最悪の場合は、エスノグラフィーやペルソナ作成などの手法自体が目的化してしまうこともある。

 一方、ビッグデータ分析においても、いきなり分析作業を始めてしまうと、その結果として「分析の具体的な活用先が見えない」、「分析結果に埋もれてしまう」という状況に陥る。ビッグデータもデータサイエンスも何でもできる魔法のようなものでは決してない。

 デザイン思考にしても、ビッグデータ分析にしても、スピーディに始めることは良いのだが、「調査・分析の前にすべき重要なことがある」ことを意識する必要がある。

 有名なスタンフォードd.schoolのデザイン思考プロセスが「共感(empathize)」から始まっている[1]からといっても、“プロジェクトという文脈でデザイン思考を考える場合、最初に明確な目標を定めるのは必然のステップ”[2]であることを忘れてはならないし、また、闇雲に手当り次第に分析することは、地図もコンパスも持たずに、「目的地(ゴール)」がわからないまま航海に出るようなものだと肝に銘じなければならない。

 調査分析をして何に活用していくのか、どのような具体的アクションにつなげていく(意思決定していく)のか、「ゴール」を見据えなければプロセスを推進していくことは難しい

バックナンバー