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製造業で進む“as a Service”化とは──リコーら4社が語るサブスクリプションモデルへの転換

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“自己否定”でビジネスを進化させるシヤチハタの取り組み

 続いて登壇したのは、シヤチハタ株式会社 システム法人営業部部長の小倉隆幸氏。今年で創業95周年を迎える老舗企業は、“自己否定”の繰り返しで進化を続けてきたという。

 1925年、インキをいちいち補充しなくても使えるスタンプ台を開発して大ヒット。その後、高度経済成長期に効率よく捺印できる浸透印、いわゆる「Xスタンパー ネーム」を考案した。屋台骨であるスタンプ台を否定する商品の展開には、反対意見もあった。1995年、Windows95の到来による世の中のペーパーレス化への懸念から、ネーム印を否定するような電子印鑑ソフトウェアの開発を始める。そして2017年には、サブスクリプション型の電子決裁システム「パソコン決裁Cloud」をスタートさせた。

 このように“自己否定”のような事業変革を続けてきた同社だが、サブスクリプションビジネスへの転換は、戦略・ビジネスプロセスを変化させ、そのためにもITの仕組み(ERP、CRM)を変える必要性を生じさせる。Excelによる管理では煩雑で、スクラッチ開発では高額すぎるので、Zuoraのような「すぐに始められて、いつでも変えられる」システムを活用することが重要となる。

 最後に小倉氏はサブスクリプションへの転換を検討する製造業へのアドバイスとして

  • 影響の出にくい事業部でスモールスタートする
  • 成功体験をもとに、他の事業部に展開する
  • 既存ビジネス従事者の抵抗に臆することなく信念を持って進める

ことが大切だと語った。

アムニモが産業用IoTで提供する“MaaS”とは

 続いて3番目に登壇したのが、アムニモ株式会社 代表取締役社長の谷口功一氏。アムニモは、横河電機が自ら変革を起こすべく2018年に設立した子会社で、IIoT(Industrial IoT)アーキテクチャを活用したサービスを提供している。

 「産業用のIoTをどう簡単にしていくのか、大手企業だけではなくて、中小の皆様にもご利用いただけるような仕掛けや仕組み、サービスを作っていきたい」と谷口氏はIIoTの新しいサービスであるMeasurement as a Service、通称“MaaS”を紹介する。

 IoTのサービスは物理現象を何らかの形で計測してクラウドで繋げ、活用するのが原則。物理現象をセンサーなどで(1)デジタル化(2)暗号化(3)IoT回線を通じてクラウド送信(4)データベースに収める(5)アプリケーションで活用するという流れだ。この(1)〜(4)部分がどんなインテグレーションでも共通だと気づき、MaaSが始まったという。また、この部分は事前に開発が終わっているため、それをどう使っていくのか、通信量、ストレージの量、あるいはデータのアップデートの頻度に応じて価格設定し、それをサブスクリプションとして課金していくモデルになっている。

IIoTの新しいサービス:Measurement as a Service

 直近では、さらにこの考え方を進化させ、監視カメラデータのエッジコンピューティングを含めた、統合管理サービスの提供を開始した。カメラをセンサーとして捉え、AIと組み合わせて計測しようとするものだ。

 VUCAといわれる先の見えない時代において、地球や社会を安定的に持続させるためには人類の行動変容が必要だ。人々が貢献しあい、その結果を感じながら暮らす活き活きとした社会をアムニモでは「Collaborative World」と命名し、同社のビジョンとして掲げている。「我々はお客様のビジネスのDX進化のお手伝いを通じてこの世界観を実現したいと考えています。AIを活用し、視覚含めたセンシング情報の意味化、振る舞いの解釈を行い、最終的には現象をストーリーとして伝えるに至って、社会価値を生み出すサービスの創出を進めてまいります」と谷口氏は今後の展望を語った。

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「顧客の価値の最大化=事業収益の最大化」を目指すリコーのクラウドプラットフォームビジネス

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この記事の著者

比惠島 由理子(ヒエジマ ユリコ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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