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KPMGコンサルティング、組織間の情報流通活性化を支援する「情報連携高度化AIソリューション」提供

 KPMGコンサルティングは、AI(人工知能)技術を活用した組織間の情報流通活性化を支援する情報連携高度化AIソリューションの提供を開始した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] AI・機械学習 企業戦略 ナレッジマネジメント

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、多くの企業や個人がリモートワークや在宅勤務といった分散した環境での業務に移行し、働き方が大きく変化している。そのため、細分化・分散した組織の連携を強化することは、今後企業の競争力を保つうえで重要な要素になる。多くの従業員が出社する形で業務を遂行している製造現場や研究開発においても、業務機能ごとの文化や拠点の壁、異なるシステムやデータ保有形式などを要因として組織のサイロ化が起きているのだという。あらゆる業種において、組織間の連携や、関係者の把握、重複のない業務の遂行および施策の一本化が課題となっており、企業全体における生産性の向上が求められている。

 KPMGコンサルティングは、企業が持つ報告書や論文などの非構造化データをAIにより統合・分析し、組織内外の情報を横断的かつ体系的に可視化するAIソリューションを開発。本ソリューションは、業務の過程で発生する自然言語で記述されたあらゆる文書をAIが解釈し、関連性分析・サマライズ・分類分け・可視化を容易に実現するもの。進捗・課題発生の状況の把握、他組織での類似業務有無の把握、法規制情報の把握などを効率的・網羅的に把握することが可能となり、企業内の情報流通・コミュニケーションを活性化させることで、組織のサイロ化状態を破壊し企業全体の生産性向上・組織力強化を実現するとしている。

 機械学習・深層学習といった分析系の機能から可視化機能まで全てオープンソースを利用して構築し、データ形式による制限や、可視化画像などの制約、AIのブラックボックス化といったAIソリューションに多く見られる制約を受けず、各企業の業務課題に即した要件の追加や効果検証、導入を迅速に行うことが可能だという。

 本ソリューションの活用により、研究、調達、生産、販売、サービス部門の現場でよくある、下記の課題解決の支援が可能になるとしている。

研究:研究開発プロジェクトの重複

 国内R&D部門と海外R&D部門での研究内容の重複、システム開発部門と先端技術研究チームで同様のアルゴリズム研究のプロジェクトが存在する等の課題に対し、社内文書・担当者情報を可視化することで、類似する研究とその担当者を事前に把握する。

調達:社内間での発注価格差の発生

 事業部・拠点ごとに発注先を選定することにより、同一部品にも関わらず部門間での価格差が生じる等の課題に対し、事業部・拠点横断で発注した経緯を把握することで、発注先・価格交渉を最適化する。

生産:トラブル解決の長期化

 現場トラブル発生時の解決の長期化や組織課題が把握しづらい等の課題に対し、トラブル発生時にシステムログやアラートの文字列から対応履歴を検索し、過去に対応したことのある人物や解決策を参照することで過去トラブル履歴・有識者への迅速なアクセスを可能にする。

販売:営業先の競合

 営業拠点ごとに個別にクライアントにアプローチすることによる社内競合の発生に対し、各営業所に存在する営業日報より、顧客管理情報を一元化することで、営業活動の競合防止につなげる。

サービス:クレームの傾向・本質理解の難航、問い合わせ先の管轄が不明瞭

 自然文で記載されたクレーム情報を分類し、重要度を算出することで課題の本質を把握するほか、過去事例から、類似の問い合わせおよびその担当者情報を参照することにより、顧客への回答時間を短縮する。

 本ソリューションは、北海道電力 総合研究所、半導体メーカーにて実証実験(PoC)を行い、本格導入に向けて検証を進めている。

北海道電力株式会社総合研究所導入事例

 過去の地域対応履歴を収集・蓄積し、そこから得られる知見を地域対応時に活用、あるいは国の審議会や各自治体の議事録等を分析し、自社業務に影響のあるトピックの特定に活用している。将来的には、地域ごとの対応履歴を一括管理し社内共有することで、地域対応業務全体のスピード・品質を高めるほか、自社業務へのインパクトを迅速かつ漏れなく把握することで、意思決定のスピード・品質を高めることを目指している。

半導体メーカー導入事例

 生産技術部門における週次報告書を分析し、調査したいトピックに係る報告書・有識者の特定や、管理者が自組織メンバーの報告書の分析結果から業務進捗や課題発生状況を確認し自身が優先的に対応すべきトピックの特定に活用している。課題対応の工数を圧縮し、研究開発・生産技術開発全体のスピードを高め、組織としてフォーカスするトピックを迅速に特定し、リソース配分といった意思決定のスピードを高めることを目指している。