合意形成は「答え」ではなく「前提」で一致すること
小田:『リサーチ・ドリブン・イノベーション』では、問いを立て、データを集め、データを解釈し、合意を形成するという4つの基本的な構造でイノベーションの方法を整理しているのですが、『進化思考』とのつながりでぜひ紹介したいのが「合意の形成」についての考え方です。
世の中では「合意の形成=答えを出すこと」というかなり狭い捉えられ方がされていると思うんです。でも、僕らが考える合意の形成は、太刀川さんがおっしゃった「調査で受容性が低いと分かったら、最初の1というアイデアを1’(イチダッシュ)に変えていく」という、まさにそういう感覚です。「こうしましょう」という「答え」を一致させるのではなく、「こういう前提で、次の活動を進めましょう」という「前提」で一致するという合意のスタンス。これが、進化思考を進めていく上でもかなり大事なんじゃないでしょうか。