商品を「モノ」ではなく「行為」と捉える
小田:残念ながら多くの商品開発の現場では、ポカリスエットの開発プロセスのようなことは起きていません。お酒の開発であれば「アルコール度数はどうする?」「味はどうする?」といった話に終始しがちです。例えば「働き方との関係性はどうなっているのか?」といった関心が向けられることが、なかなかないんですよね。
太刀川:生態系に適応するというのは、あるモノが誰かと共生関係を持てることだと考えられます。その共生関係って誰にでも当てはまるというようなものではなくて、「こいつは俺のことを分かってくれる」みたいなディープな関係性ですよね。「他の奴らは好きじゃないかもしれないけど、俺はドクターペッパーが好きだ」みたいな感じです(笑)。あるところだけにめちゃくちゃ刺さっているということが、広くマーケティング的な成功にもつながる。そう考えると適応とは、そのものが刺さる特定の対象に寄り添えているということが重要だと思います。