この取り組みでは、ABPが調達する天然ゴム原料は、トレーサビリティシステムのスマートフォンアプリによって取引内容・日時・位置情報などがブロックチェーン上に記録され、地図上に表示される。その後、ABP工場内で加工され、原産地情報付きの天然ゴムとしてタイヤメーカーへ販売される。そこで生産される協賛タイヤの売上の一部から原料サプライヤーへ対価を支払う仕組みを実装し、スマートフォンや銀行口座を持たない小規模農家に対しては、農具・肥料や生産性向上のための研修を提供するという。
加えて、国際NGOのProforest、SNVによるコンサルティング・監査を受けながら、サプライチェーンにおけるリスクアセスメントの結果に基づく改善計画も順次実行する。
このプロジェクトは、同業の天然ゴム加工会社や、タイヤ卸・小売・自動車メーカー、消費者等、天然ゴムに関わる全てのステークホルダーに広げていく構想で、協賛するタイヤ製品は、環境意識の高い欧州地域から順次世界展開を目指していく。また、持続可能な天然ゴムのための新たなグローバルプラットフォーム「Global Platform for Sustainable Natural Rubber(GPSNR)」のポリシーおよび目標達成に貢献する事も期待されているという。
伊藤忠商事は、このプロジェクトを通じて、同社の天然ゴムバリューチェーンの強靭化を実現するとともに、天然ゴム産業全体のサステナビリティ化に貢献していくとしている。