日産自動車は、電気自動車によって地球温暖化や災害対策などの解決を目指す、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」をASEAN地域に拡大すると発表した。
同社は、ASEAN地域における「ブルー・スイッチ」活動の展開を、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の実現に向けた重要なマイルストーンであると位置づけている。このイニシアティブを通じ、同社はタイ、フィリピンを含めたASEAN市場の地方自治体やパートナーと、戦略的パートナーシップを構築していくとしている。具体的な取り組みの内容は以下のとおり。
災害時の支援活動
フィリピンで2021年に発生した大型台風「ライ」による大規模停電の際、セブ州やタクロバン州に「日産リーフ」を派遣し、搭載しているバッテリーにより1,000台以上の携帯電話を充電するなど、困窮した地域の住民を支援したという。
エネルギー共有と炭素削減
エネルギー管理における電気自動車の活用について理解を深めるため、タイのサムットプラカーンに「Nissan Electrification Experience Center」を開設。電気自動車の可能性について知り、体験してもらう機会を提供していくと述べている。
また、生産におけるCO2削減の一環として、工場での再生可能エネルギーの利用を推進。タイの第2工場に設置した太陽光発電パネルにより、タイ日産自動車、ニッサンパワートレイン(タイランド)、アジア・パシフィック日産自動車における使用電力の3分の1以上を太陽光でまかなうことで、CO2を1ヵ月で400トン削減しているという。
エコツーリズム開発
電動化技術が、脱炭素化や地域交通網の最適化にどのように貢献できるかを検討し、観光セクターを支援。同社は現在、フィリピンの観光省と協力して、エコツーリズムを推進する「Safe Trips」キャンペーンを実施中だとしている。