「ビジネス人類学」の確立へ至る道程とその射程
ビジネスへ文化人類学がどのように活用されるに至ったのか。その問いへの解も示された。
文化人類学がビジネスの場面で活用された最初期の例が、「ホーソン実験」である。ホーソン実験とは、シカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場において、1924年から1932年まで行われた一連の実験と調査のこと。この調査の目的は、労働者の生産性の変化に関する仮説生成とその検証であった。その中で導かれたものは、「職場の外的環境ではなく人間関係が生産性に影響する」という結果であった。