日本取引所グループは、ブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティトークン(デジタル債)である「第1回無担保社債(社債間限定同順位特約および譲渡制限付)(グリーン・デジタル・トラック・ボンド)」の発行条件を決定・公開した。
グリーン・デジタル・トラック・ボンドは、日本取引所グループと日立製作所、野村證券、BOOSTRYの4社が協業して開発を進めている、デジタルな仕組みを用いた環境債。4社は、今回の発行を通じて得られる投資家の意見を、グリーン・デジタル・トラック・ボンドの機能開発やシステム強化に反映し、利便性向上に取り組んでいくという。
発行条件は下記のとおり。
- 社債総額:金5億円
- 各社債の金額:金1億円
- 利率:年0.050%
- 払込金額:各社債の金額100円につき金100円
- 償還金額:各社債の金額100円につき金100円
- 年限:1年
- 償還期限:2023年6月3日
- 募集方法:国内における一般募集
- 払込期日:2022年6月3日
- 資金使途:日本取引所グループは、グリーン・デジタル・トラック・ボンドの発行によって調達した資金を、連結子会社であるJPX総研に対する貸付金に充当。JPX総研は、当該貸付金をグリーンプロジェクトにかかる再生可能エネルギー発電施設(太陽光発電設備およびバイオマス発電設備)に関する設備投資に充当
- 引受証券会社:野村證券
- デジタル・ストラクチャリング・エージェントおよびグリーン・ボンド・ストラクチャリング・エージェント:野村證券
- 財務代理人:野村信託銀行
- 社債原簿管理人:野村信託銀行
- セカンドパーティ・オピニオン:サステナビリティボンドとしての適格性については、第三者評価機関である格付投資情報センター(R&I)より、セカンドパーティ・オピニオンを取得
- 社債格付:なし
なお、グリーンボンド投資においては、発行会社・投資家双方に、以下の課題が存在するとされている。
発行会社
グリーンプロジェクトにおけるCO2削減量など、グリーン性指標の取得が煩雑
- データ取得が容易でない
- データ集計に手作業が発生
- 債券とデータの紐づけ管理が煩雑
結果、通常の社債と比較して管理コストが割高になる。
投資家
グリーンプロジェクトのモニタリングのための情報取得機能が限定的
- 排出量削減効果などの能動的な取得
- 計画どおりに資金が活用されているか
投資先の横比較がしづらい
- 発行後の情報開示にバラつき
- 企業が開示するデータフォーマットが不統一
これらの課題を解決するため、4社はグリーン・デジタル・トラック・ボンドを開発。同スキームではグリーン発電設備から、発電量やCO2削減量といったグリーン性指標を発行会社が関与することなく取得できるようにすることで、発行会社のオペレーションシステム連携などの負担・煩雑性を解消するという。取得したデータを、発行会社におけるグリーン指標などに関する各種報告にも活用することで、一連の手続きの簡素化が期待できるとしている。
また、取得したグリーン性指標にかかるデータを可視化し、いつでも閲覧・データダウンロードを可能とすることで、グリーンプロジェクトの透明性を向上させるとともに、投資家におけるモニタリング作業などの効率化を図るという。
データの取得および可視化は、日立およびJPX総研が新たに開発するシステムにて実装され、投資家はいつでもグリーン性指標を確認することができるようになるとしている。
これらの仕組みにより、グリーン投資にかかるデータの透明性の向上および関係者の利便性向上を目指すという。