丸投げの歴史を繰り返さない、アイスリー式が実現するイノベーションの「自分ゴト化」
──ワークショップを終えてすぐにプロジェクト推進を実践するのは、かなり大変な挑戦になりそうですね。
山本:そうですね。ですから、前もってそれは参加される皆さんにもお伝えしています。またプログラム初日に、その企業の上位役員クラスや事業部長クラスの方から、次世代リーダーとなる参加者に対して熱いメッセージをいただきます。「これは、ただ話を聞いて4日間過ごすプログラムではなく、参加者が5年後、10年後の企業を変えるためにやるものなのだ」と分かるような話をしていただくのです。
芝:ワークショップに並行して、アセスメントも行います。組織制度上の問題点などを洗い出して、ワークショップで出てきた課題や案と照らし合わせ、プロジェクトを成功させるために必要なものが分かる状態にしていくのです。Humanのイノベーションが後半に差し掛かると、Techの段階で、参加者の誰にどのプロジェクトをアサインすべきか、誰を旗振り役にすべきかが分かる状態になっています。
──組織の課題を解決するにも、新規事業のアイデアを出すにも、やるのはあくまで当事者である企業の方たちであることを大切にしているのですね。
芝:すべて支援者側が行ってしまう丸投げ型のサービスというのは、これまでコンサルティング会社やSIerに外注してきた大企業も経験があるかもしれません。ただ、それが“上手くいかなかった”という結果に終わることは非常に多いようです。だからこそ、社内のDX人材育成に課題感を持つ企業が多いのだと思います。
多くの日本企業は、これまでシステムの開発などを、すべて外注任せにしていました。その結果、人が育たずに日本企業のデジタルの弱さにつながってしまったといわれています。イノベーションが急務となっている今、この丸投げの歴史を繰り返しているような時間はもうありません。
たしかに外部に頼る部分が少ないと、最初はできないことが多いかもしれません。しかし、失敗を繰り返していく中でも絶えず我々が伴走することで、次第にできることが増えていくはずです。
大企業のイノベーション人材は社内から 根底にある課題とは?
──ヒューマンイノベーションプログラムによって、いずれはイノベーション人材の内製化が可能になりそうですね。
山本:大企業の多くは独特の企業文化・組織文化を持ち、長年業務を研ぎ澄ましてきたエクセレント・カンパニーばかりです。そんなところに、他社から人材を引き抜いていきなりDX推進担当や新規事業担当としてアサインしても、なかなか上手くいかないでしょう。だからこそアイスリーデザインは、今その組織にいる人材の中から、次世代リーダーの育成を支援していきたいと考えているのです。
──こうした大企業が持つ課題を明らかにした調査結果や、アイスリーデザインが行う変革支援の根底にある考えを、ホワイトペーパーにまとめているんですよね。
芝:そうですね。先日、Zホールディングス Zアカデミア学長で、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長を務める伊藤 羊一さんと、人材開発をテーマとして対談を行いましたが、人材における課題の核心をついた、非常に充実したものとなりました。
伊藤さんは、ヤフーで人材育成に取り組まれていた方ですが、イノベーションの源泉にも、新規事業を行う際に課題となる“撤退戦略”に関しても、やはり「人」が重要になってくるという話で盛り上がりました。対談の内容もホワイトペーパーに余すことなく書かれていますので、興味をお持ちの方はぜひ読んでいただきたいですね。
また、伊藤さんとはオンラインセミナーを9月28日に実施することも決定しました。是非こちらもご参加いただきたいです。
──人材の内製化をはじめ、外部ではなく自分たちでイノベーションを担っていくことが鍵となるのですね。
芝:イノベーションをどれだけ「自分ゴト化」できるかが大切です。丸投げでDX推進や新規事業を起こそうとしている企業は、最終的に良い結果を得られないでしょう。
危機感を持つ大企業のトップは、岩盤収益がしっかりしている今の段階で、5年、10年後を見越して人材育成をどうしようか考えています。人材や組織の大規模な改革には、時間がかかります。危機を感じてからでは遅いのです。今から着手しなければなりません。
ぜひホワイトペーパーを参考に、自分たちが抱えるイノベーションの課題を認識し、自分たちで解決し、価値創出につなげるという、自分ゴトとしてのイノベーションへの第一歩を踏み出してみてください。
芝陽一郎氏×伊藤羊一氏が対談! アイスリー式企業変革メソッドVol.1 Human編
今回の記事で語られた「アイスリー式 変革支援プログラム」の根底にある、日本企業が抱えるイノベーションの課題やアイスリーデザインが描くイノベーションの在るべき姿、強靭な人材・組織の作り方など、最新の潮流やメソッドを公開しています。全22ページの豊富な内容で、無料ダウンロードが可能となっていますので、ぜひご一読ください。
ダウンロード:アイスリーデザインHP
人材ポテンシャルを開放し次世代リーダークラスを育成するには? DX成功の鍵を探る
前半では、株式会社アイスリーデザイン 代表取締役の芝 陽一郎氏と、Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長を務める伊藤 羊一氏が、イノベーションを牽引する次世代リーダーの育成をテーマに対談。変革の源泉となる人材・組織の作り方や、全社的なデザイン思考の浸透など、DX時代のイノベーションに必要な思考について議論しています。
企業が陥る人材育成の落とし穴
後半では、本記事にも出演した山本 真吾氏が、DX推進の実態を調査した経済産業省などのレポートを読み解き、多くの日本企業が頭を悩ませている人材育成の落とし穴を解説。DXを成功に導くために何を押さえ、実践するべきか分析しています。