キヤノンは、生産現場の自動化(Factory Automation/以下、FA)など生産性向上を支援する画像処理ソフトウエアの新製品「Vision Edition 2」を、2022年9月中旬に発売する。
2018年3月に発売された「Vision Edition」は、FA向けの画像処理ソフトウエアとして、外観検査や欠品検査などの画像検査、アナログメーター/デジタルメーターやバーコードの読み取りなど、画像解析結果を活用し、検査業務や点検業務の効率化・省人化に貢献するものだった。
新製品Vision Edition 2では、画像処理性能の向上やネットワークカメラをはじめとする接続可能なカメラデバイス種類の拡大、外部機器・ソフトウエアとの連携強化など、より柔軟で簡易なシステム構築を可能にするという。
これらの機能向上を生かして、製造業のほか、流通・小売業などといった業種の現場において、映像を活用したソリューションを提供し、DXに貢献するとしている。
具体的な特徴は以下のとおり。
AI画像処理機能の追加などにより画像処理性能が向上
ディープラーニングを用いた文字認識強化とパターンマッチング精度の向上により、高精度な画像解析を実現。また、キヤノンITソリューションズが提供しているAI検査プラットフォーム「Visual Insight Station」がサポートする「Detection(位置検出)」「Segmentation(領域検出)」「Classification(分類)」の各機能をVision Edition 2内で利用できる。これにより、従来のルールベース方式の画像処理と、新たにAI画像処理を組み合わせたハイブリッドな画像検査を実現しているという。
接続可能なカメラデバイス種類の拡大
キヤノン製またはアクシス製のネットワークカメラに加えて、USB3 Vision規格に対応した産業用カメラやUVC規格に対応したウェブカメラ、キヤノンのミラーレスカメラ「EOS R」シリーズなどのカメラデバイスと接続可能。作業環境や用途に合わせた最適なカメラを選択できるとしている。
通信機能の強化により外部機器・ソフトウエアとのネットワーク通信が可能
HTTPプロトコルを用いて、画像処理指令やプログラムの切り替え、検査結果の受信が可能になる。これにより、FA関連のアプリケーション(MES、WMS、SCADA、BIツールなど)との連携を容易に実現でき、用途が広がるという。このほか、TCP/UDPによる外部機器制御が可能になり、照明のON/OFF制御や、画像処理の結果に応じてシグナルタワーの点灯色を変えられるとしている。