凸版印刷と福島県昭和村（以下、昭和村）は、センシングとAIを活用した介護業務支援サービス「LASHIC＋（ラシクプラス）」を活用した、昭和村内の独居高齢者における見守り支援の実証実験を、12月下旬から開始する。

　LASHIC＋は、2021年より凸版印刷が提供している温度・人感などのセンシングが可能な簡易センサーとそれらの取得情報を統合解析できるAIにより、プライバシーに配慮した形で施設入居者の行動を把握し、介護従事者の業務負荷の軽減を実現するサービス。同実証は、自治体向けの活用として、昭和村における後期高齢者の独居住まいを対象に実施する。

　昭和村は、少子高齢化や過疎化により後期高齢者の独居住まいが多く、見守りが必要な独居高齢者へ役場の担当職員が定期訪問を実施している。今後、さらなる高齢化や、過疎による人手不足が懸念される中、LASHIC＋を活用した見守り支援の実証を行い、定期訪問の適正化と異常の早期発見による職員の業務負荷軽減や見守り業務の質向上を目指すという。

　実証実験の概要は以下のとおり。

対象

• 福島県昭和村における独居高齢者の個人宅、村営の高齢者向け生活支援ハウス

期間

• 2022年12月下旬～2023年3月の約3ヵ月間

実証件数

• 約10件（7戸、1施設3床）

具体的内容

• 独居高齢者の自宅（生活支援ハウス含む）の居住スペース・トイレなどに人感やドア開閉を検知する簡易センサーを設置し、対象者の行動データを取得する
• AIを活用して見守り対象者ごとの行動データに合わせたアラートを設計し、異常時にはアラート発報を行う
• 職員はアプリ上で対象者のステータスやアラートを閲覧可能。これらの情報を基に定期訪問の最適化や異常の早期発見を実現し、業務効率化や見守り業務の質向上を検証する

　両者は今後、同実証実験を通して、カメラやウェアラブルデバイスを用いないセンシングによる異変の検知手法を確立し、2023年度を目標にLASHIC＋を活用した高齢者が安心して暮らせる地域の見守りモデルの構築を目指し、2024年度以降の本格運用に向けた検討を行うとしている。