KDDIが9年連続首位も迫る後続陣、全体的な底上げが進む国内オープンイノベーション
冒頭、イノベーションリーダーズサミット運営事務局の松谷卓也氏により、総合トップ30のランキング結果が発表された。総合ランキング第1位は得票率6.20%を獲得したKDDIであり、同社は9年連続で首位を堅持する結果となった。続いて、第2位には得票率5.33%のトヨタ自動車、第3位には得票率4.51%のソニーグループが昨年に続き上位にランクインしている。しかしながら、首位KDDIの得票率は前年より1.6ポイント低下しており、2位との差が2.6ポイントから0.9ポイントへと肉薄するなど、これまでの独走状態からは明確な変化が生じている。
これを受けて、ゲスト登壇したKDDI オープンイノベーション推進本部 副本部長の舘林俊平氏は「スタートアップからすると票が割れているほうがよいといいますか、皆様がイノベーティブに動いてくれたほうがよい」と率直な感想を述べた。さらに同氏は、自社の順位低下を憂う必要はなく、全体の水準が底上げされて票が分散していくことは、日本のオープンイノベーション・エコシステム全体にとって喜ばしい傾向であると指摘した。事実、後続企業の目覚ましい追い上げは、スタートアップにとっての選択肢が広がっていることを意味している。
また舘林氏は、スタートアップと日々向き合って活動している現場部門の立場として、9年連続で首位を獲得できたことは非常に喜ばしい成果であるとコメントした。その上で、今後も引き続きトップの座を維持できるように真摯に活動を続けていきたいと、さらなる取り組みへの意欲を強調した。全体的に国内大企業のオープンイノベーション推進力が向上し、魅力的な連携先が多様化している現状が浮き彫りとなっている。
躍進を遂げる注目企業と多様化する各業界トップの顔ぶれ
上位陣の顔ぶれが定着しつつある一方で、地道な取り組みによって着実にスタートアップからの支持を拡大している企業の存在も目立っている。総合ランキングにおいて、大日本印刷は12位から10位へと順位を上げ、3年連続のランクアップで初のトップ10入りを果たした。また、花王も17位から14位へと3年連続で順位を上げてトップ10を視野に入れている他、みずほフィナンシャルグループは49位から25位へと大躍進を遂げている。
続いて発表された業種別ランキングのデータでは、各業界における勢力図の変化が明確に示された。食品業界では大混戦の末、明治ホールディングスとアサヒグループホールディングスがともに得票率0.5%を獲得し、初の同率首位に輝いた。また、医薬品業界ではロート製薬が得票率0.9%を獲得して初の単独首位へと躍り出るなど、各領域で活発なオープンイノベーションが展開されている状況が確認された。
このようなランキングの変動について、同じく登壇したNTTデータ 「豊洲の港から」船長の佐藤昌弘氏は、自社の取り組み状況を交えながら独自の見解を述べた。同氏は、自社には大規模な投資機能がないため、スポンサーシップなどの派手な活動は控えていると説明した。その代わりとして、知り合ったスタートアップと着実にビジネスを創り上げる水平的なマッチングを地道に継続しており、それが現在の評価につながっていると分析して実務ベースの協業の重要性を紹介した。
