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ロート製薬「ベレアラボ」代表・星氏に聞く、兼務人材がハブになる事業開発──組織能力の発見と統合とは?

ゲスト:ロート製薬株式会社 事業戦略室 BÉLAIR LAB/ベレアラボ 代表 星亜香里氏

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 DXは単なるデータ化、デジタル化のフェーズを超え、組織として、経営としてどう変わるかのフェーズに差し掛かっている。この連載では、先駆的企業のキーマンにインタビュー。DXを進めるなかで求められる変化、それに伴う困難をどう克服すべきかを聞く。今回のゲストはロート製薬事業戦略室の星亜香里氏。香りと感性の研究所「BÉLAIR LAB/ベレアラボ」をゼロから立ち上げた同氏に新規事業開発のポイントを伺った。話題の中心はD2C事業というデジタル変革だけではなく、大企業での事業開発をどのように進めるのか、ロート製薬が持つ組織文化へ話は発展した。

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研究開発やマーケ、顧客サポートなどの経験が「事業をつくる」キャリアの礎に

──まずはロート製薬以前のキャリアから教えてください。

 2000年に新卒でソニーグループに入社しました。最初に配属されたのはソニーマーケティング株式会社。そこで「VAIO」のマーケティングに携わったのがキャリアのスタートです。

 キャリア初期に徹底させられたのは、上司に「自分の価値は自分で示せ」ということでした。「今日は何するの?」といつも聞かれて、即答しなければいけません。当時の私にはそれができなかったので、「何をしたらいいのか」「自分には何ができるのか」と必死で考えました。その時間をもらえたことが今につながっています。

 業務としてキャリア初期に私が携わったのはいわゆるCRMで、お客さまを見て、そこで見つけてきたニーズやシーズを還元する立場にありました。なので、まずはお客さまが何に困っているのかを知らなければ始まらない。経験がないなりに、ショールームやコールセンター、営業マンや修理スタッフなど、顧客とのタッチポイントに赴いてヒアリングしまくることから始めました。

 当時はまだ一般のお客さまにとってパソコン自体がもの珍しく、漠然とした期待感とその裏返しとして「逆に何をしていいのかわからない」という方が多かった。

 一方で、この頃は修理スタッフの果たすべき役割が徐々に縮小されてきた時期でもありました。そこで、手の空いた修理スタッフのスキルを使って、お客さまにセミナーやコンサルティングを提供することを考案しました。この事業は結果として成功し、その後部署になり、その後も数年間続きました。

──新入社員が立ち上げたサービスが部署になるというのは、なかなかないですよね。

 私にとって大きな成功体験でした。その後、ソニー株式会社へ移り、そちらでもプロダクトマーケティングや商品企画に携わりました。さらにR&D部門へと移って、研究開発とその知見を商品に反映させるブリッジの役割を担いました。新卒入社から一貫して「まだない市場をいかに作っていくか」を追求してきたと思います。

──そこからなぜ転職を。

 ゼロから事業を立ち上げることがやりたいと思い、ソニーグループのシードアクセラレーションプログラム「SAP」に自分のプロジェクトを起案したのですが、いろいろな理由があって、あまりうまくいきませんでした。けれどもそのチャレンジ自体はどうしても続けたい思いがあったので、また新しいテーマで「ゼロから事業をつくる」のに適した環境を求めて、転職しました。

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この記事の著者

鈴木 陸夫(スズキ アツオ)

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