ソーシャルジョブやグリーンジョブへ高まる期待
そもそもリスキリングとはなにか。後藤氏は「組織が実施責任を持つ『業務』である」と定義する。これは従業員の視点では、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、新しい業務や職業に就くこと」と捉えられる。今やっている業務のより高度なスキルを身につける「スキルアップ」(英語ではUpskilling)とは異なり、異なる分野の仕事に就くことを目的としている点が重要だ。
また、「学び直し」という和訳から連想される「個人が自由に好きなことを学ぶ」ことや、学校での学び直しと仕事への復帰を繰り返す生涯教育の手法である「リカレント教育」とも、明確に異なる。あくまで企業や国が主体で、競争力の向上を目的に実施するのがリスキリングであると、後藤氏は強調した。