KDDI、川崎重工業(以下、川崎重工)、ティアフォー、損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)、menu、武田薬品工業(以下、タケダ)の6社は、東京都の「西新宿の課題解決に資する5G等先端技術サービスプロジェクト」における取り組みとして、5Gを用いた遠隔監視で運行する複数台の配送ロボットを使った食事および医薬品などの自動配送サービスを提供するプロジェクトを実施する。
今回のサービス提供は、2021年度の公道配送実証に続く取り組みにあたり、事業面・運用面・技術面の課題抽出を通じて、西新宿エリアにおける継続的なサービス提供や東京都内の他エリアへのサービス拡大の早期実現を目指すという。
プロジェクトで提供するサービスの内容は以下のとおり。
配送ロボットを使ったフードデリバリーサービス
配達員の代わりに配送ロボットが食品の配送を行う。配達員とともに自動配送ロボットがどう生活者に受け入れられるのか、人手が足りなくなる雨天時や夜間での配送ロボットの適応可能性などを検証するとともに、保温機能など配送ロボットならではの配送品質向上にも着眼し、配送サービスを実施する。
- 実施時期および期間:2023年1月23日~2月10日(1月25日、31日、2月8日を除く平日)
- 走行エリア:東京都新宿区西新宿周辺(総走行距離 約4km)
- 協力店舗(食事の提供):京鼎樓 新宿住友ビル店、フレッシュネスバーガー 新宿三井ビル店、AFURI 新宿住友ビル店
- 配送物:協力店舗の商品(食品)
配送ロボットを使った医療関係物資の配送・回収サービス
医薬品の個人宅配送が定常化する環境変化を見据え、オンライン診療・オンライン服薬指導に加え、配送ロボットによる自動配送サービスを組み合わせた新たな取り組みを実施。具体的には、往路で血友病患者向けに処方箋医薬品を配送し、復路で医療廃棄物の回収を行うことにより、配送ロボットならではの強みである「非接触」「荷物のトレーサビリティ」「重量物の配送」といった利点の検証を実施する。
また、患者のアドヒアランス(治療の継続性)向上や医薬品の「製造」「流通」「サービス」の観点から、患者に医薬品を安全かつ効率的に届けるための知見を収集する。
- 実施時期および期間:2023年1月31日
- 走行エリア:東京都新宿区西新宿周辺(総走行距離 約1.2km)
- 協力施設:東京医科大学病院(オンライン診療・オンライン服薬指導、院内処方・医薬品配送・医療廃棄物回収)、京王プラザホテル(オンライン診療・オンライン服薬指導、受渡し場所の提供)
- 配送物:血友病の処方箋医薬品・医療廃棄物
プロジェクトにおける各社の役割分担
- 川崎重工:全体統括、配送ロボットの開発、自動配送サービス提供
- ティアフォー:自動運転システムの開発・提供および配送ロボットへの自動運転システムの搭載、運行管理システム・遠隔監視システムの開発・提供
- KDDI:5G通信環境の提供
- 損保ジャパン:自動配送ロボット運行にかかる自動運転リスクアセスメント、自動配送ロボット専用保険の提供
- menu:ユースケースの提供(フードデリバリー)、利用者・参加店舗の募集と管理
- タケダ:ユースケース(医療関係物資の配送・回収)の提供支援、医療機関(病院・薬局)との連携支援