ロジックと数字だけで意思決定は突破できない
意思決定を突破するためには、「そのアイデアに継続投資する価値があるか」という問いと向き合わなければならない。この問いは、ビジネスモデルの各要素で、以下のような個別の問いに分解できる。
- 課題:「本当に困っているのか」
- 価値:「本当に求められているのか」
- 仕組み:「本当に作れるのか」
- 市場:「大きな市場なのか」「成長するのか」
- 戦略:「勝てるのか」「勝ち続けられるのか」
- 収益モデル:「儲かるのか」「成立するのか」
これらすべての問いに応える必要があるが、「こうして論点を整理していくと、次第にロジックの限界が見えてくる」と堀氏は述べる。マクロな観点(市場性、優位性、収益性)からの問いに対してはロジックと数字で応えられるものの、ミクロな観点(課題性、受容性、実現性)からの問いに対しては、どうしてもロジックと数字だけで魅力を伝えきるのは難しい。アイデアを上申する際に「定量調査をしたら3割の人が使いたいと言ってくれました!」「属人的なノウハウを標準化することで安価に提供できます!」などと、ロジックと数値で魅力を伝えようとしても、「本当に?」という疑念はどこまでいっても拭えないだろう。