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事業開発の意思決定を突破するアプローチ

事例を用いて追体験、事業構想フレームワーク「バリューデザインシンタックス」の実践的な活用方法

2023年3月2日開催「Biz/Zine Academy」レポート Vol.4

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 デザインコンサルティング&スタジオNEWhが提供する事業構想フレームワーク「バリューデザインシンタックス」。これまで3回に渡り、2023年3月2日に開催された「Biz/Zine Academy」の講義内容を基に、その中身と活用方法を紹介してきた。最終回となる本稿では、より実践的に活用方法を学ぶためのパートとして、事例を用いて事業構想全体の流れを追体験する。

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バリューデザインシンタックスを使ってみよう

[画像クリックで拡大表示]

 バリューデザインシンタックス(VDS)の活用方法を、事例を用いて学んでいくパート。今回、事例として用いたのは、リカレント教育に関する以下のようなサービスを構想するケースだ。

リカレント教育の時流に乗り、社会人向けの学習ビジネスを行いたい。“学習したい”と考える社会人は増加している一方で、実際に行動に移せている人は少ない。このGAPを埋められればビジネスになるのでは?

 それでは、これまで全3回で解説した通り、「コンセプト → 戦略 → 仕組み → 収益性」のデザイン過程を順を追って見ていこう。

1. ミクロとマクロの視点でデザインする「顧客・課題・価値」のコンセプト

ミクロな視点での「顧客」

 まずは第2回で解説した通り、ミクロの視点でターゲットユーザーを考えてみる。ここでは、実在する「リアルなn1顧客」を明確にする必要がある。バイネームで、日々の生活の様子などが浮かんでくるような解像度であることが好ましいだろう。今回は、以下のようなユーザー像が見えてきた。

東京都在住、40歳、小学校4年生の息子がいて仕事も子育ても忙しい、大手メーカーで新規事業開発担当を務める吉沢友美さん

ミクロな視点での「課題」

 続いて、そのユーザーが抱える具体的な課題を書いてみよう。ユーザーインタビューで得られたファクトをそのまま書くようなイメージだという。体験談やリアリティのあるストーリーが示せると、社内での共感を集めやすい。今回は、以下のような課題が明らかとなった。

今年の4月から新規事業開発の担当にアサインされたが、新規事業創出ってまず何をしていいのかわからないし、自社独自のノウハウもどうやらなさそうだ。しかし、成果目標は与えられているのでなんとかしなければ。新規事業創出のノウハウを得るためにビジネススクールに通ってみようかと思い調べてみると、金額が数百万かかる上、毎週平日の夜の時間を捻出しなければいけないことがわかった。通常業務や子育てもある中で、どれくらい時間が捻出できるか不安。そこまでして学習をすべきなのかどうか……

マクロな視点での「顧客」

 次に考えるのは、マクロな視点でのターゲットユーザーだ。ユーザーがたった一人では事業が成り立たないため、十分な市場があることを示す必要がある。先ほど明らかにしたn1顧客と同様の課題認識や、共通の属性を持つ顧客群を書き出してみよう。今回は、以下のようになった。

大企業(資本金5億以上 or 社員数500名以上)で新規事業開発の担当を任されているものの、「新規事業創出のノウハウがなく、進め方がわからない」という課題を抱える人

マクロな視点での「課題」

 続いて、先ほどと同様にマクロな視点で書き出した顧客群が抱える課題を考える。顧客の声に基づいた、重要かつ再現性の高い課題であるか。顧客のリアルな声の中から、多くの顧客が共通して、本質的に抱えている課題や期待を端的に捉えられており、定量調査が可能な状態になっているかが重要だという。今回は、以下のような課題を据えることにした。

事業開発の方法論を学びたいが、費用対効果が見えず学びに踏み出せない

ミクロな視点での「価値」

 顧客像を定めたら、次にその顧客は何を渇望しているのか、価値の検討に進む。ここでも同じように、一人の顧客にフォーカスしたミクロな視点での検討から入る。顧客がサービスを通して受け取る価値や、サービス活用後の理想像の具体的な状態を定義できているかが重要となる。たとえば、以下のように描くことができるだろう。

仕事と子育ての隙間時間で、無理なくデザイン思考で新規事業のプロダクトを設計する手法を学ぶことができた。自分と同じような初学者の体験談を知ることができ、自分にも新規事業開発ができそうという実感を得ることができた

マクロな視点での「価値」

 次に、マクロな視点での価値を描いてみよう。ミクロな視点で描いた価値をもう少し抽象化してコンセプトを捉え、定量的な検証が可能な状態になっていると良い。先ほどのミクロな視点で描いた価値をマクロな視点で捉え直すと、たとえば以下のようになる。

いつでもどこでも好きな時間に受講ができる。学習の進捗や不明点をいつでも相談ができる。学習のゴールの状態をイメージすることができる

価値を提供する「手段」

 続いて、その価値をどうやって提供するのか。どういったサービス(提供手段・機能・ツールなど)として顧客に価値を提供するのか、明確に定義する。今回は、下記のような手段を想定してみよう。

自分と似た境遇を経てきたロールモデルがメンターにつくオンライン完結型デザインスクール

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鈴木 陸夫(スズキ アツオ)

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