ビジネスモデルを“文章で描く”フレームワーク
これまで数多の事業構想フレームワークが世に出されてきたが、その多くはビジュアルに寄ったものだった。そのため、ミクロとマクロの視座の移動、全体を1つのストーリーとしてつなぎ、整合性を保ち続けることが思いのほか難しかったという事業開発担当者もいるだろう。
「バリューデザインシンタックス(以下、VDS)」において特徴的なのは、「文章でビジネスモデルを描く」というアプローチをとっている点だ。空欄を埋めていくだけで無意識に視座を変えることができ、全体の整合性も意識し続けることができる。前回、社内の意思決定を突破し事業アイデアを実現するためには「確信」と「確証」をつくることが必要だと堀氏は語ったが、VDS内の各ボックスと全体の文章を、自信を持って語れる状態にあることこそが、“確信と確証をつくれている状態”なのである。
実際に各ボックス内を埋めていこうとすると、人によって簡単に書けるところと書けないところがあるのが分かる。まったく書けないのは、要素が抜けていることの表れであり、まだまだ仮説の設計が必要だということだ。メンバーによって書く内容にバラつきがあるなら、チーム内の共通認識の醸成が必要だろう。「書けるが、自信がない」なら、検証と定義が次のアクションとなる。