人の人生をスタートアップに預けるということ
志水雄一郎氏（以下、志水）：私たちの課題解決というのは、誰かの人生をスタートアップと起業家、今回で言えばREADYFORと米良さんとともに歩ませるというものです。ですので、たとえばコンサルティングファームやVCの課題解決とは少し違います。誰かから預かったお金を出資することも大きなコミットメントですが、人の場合はさらに直接的です。
誰かの人生の基盤となる仕事、そこから得られる収入をREADYFORだけ、もしくは主な場として作るという選択をしてもらう。これは逃げ場のない選択であり、そのうえで、ともに良い未来を作ってもらう。これは難易度の高いことです。つまり我々は、ある一人の人間の未来をそのスタートアップに預けてもいいのか、ともに人生を歩ませていいのかをしっかり考えます。
米良はるか氏（以下、米良）：フォースタートアップスさんでは、常務取締役の恒田さんとも仲良くさせてもらっていますが、初めて会ったときは、見定められているように感じて少し怖かったです（笑）。志水さんにも、本気の人しか応援したくないというスタンスを感じています。人をスタートアップにジョインさせるというのは、その人の人生を変えてしまうことですから。人生を預けることができるのかを真剣に見定めるからこそだと思います。
READYFORを応援すると決めていただいてからは、恒田さんにもよく、組織の課題もまだ頭で固まっていない段階で共有し、解決法を相談させていただいています。このような応援をしていただくことで人材の質がどんどん変わり、できることが増えていっています。会社というのは、自分がどうしたいかも重要ですが、実際には一緒に実行する仲間のレベルによって結果が変わってしまいます。やればやるほど「人だな」と痛感します。
集う理由のあるところに、人もお金も集まってくる
志水：今野さんも人として魅力がありますよね。GCPとフォースタートアップスは本格設立以降、資本関係があるわけではないのですが、それでもまず一番に相談するのは今野さんです。
集う理由のあるところに人もお金も集ってきます。今野さんのところに私も引き寄せられるし、もしかすると私も今野さんから見て、引き寄せられる理由があるのかもしれません。今野さんから「ここに人やお金を含めた様々なものを集わせる必要性がある」と言われたことで、私たちはREADYFORにコミットしています。
もっと言えば、ベンチャーキャピタルというのは、企業が上場すると離れてしまう存在です。ですので、米良さんのチームが上場されたら今野さんとの関係性は変わってしまいます。私たちの場合は、上場しようと未上場であろうと関係はありません。そして、おそらく米良さんたちのチームは上場後も輝くと考えています。ただし上場にたどり着くのが簡単だと思っているわけでもない。ですので、輝けるチームにし、上場することにまずはコミットして、その後も力強く成長できるための準備を今する。その結果、さらに輝いていただく。そのすべてに関わってくるのは、人です。人の人生や思いが集合したものがこういうスタートアップや人の挑戦の支援だと思っています。逆に集わせられないチームには、お金も集まらないし、社会に必要なサービス提供をすることができないと考えます。
