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ClimateTechで100兆円規模の新たな産業創出へ──技術開発だけじゃない、様々な参入の形とは

「Climate Tech Day 2023」レポート

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 2050年までのカーボンニュートラル実現に向け、世界中で産業やライフスタイルの変革が進んでいる。タイムリミットが刻々と迫るなかで、我々にどのようなアクションが求められているのか。2023年6月25日に東京大学が運営するスタートアップ支援プログラム「東京大学 FoundX」主催で行われたイベント「Climate Tech Day 2023」の冒頭セッションで、FoundXのディレクターである馬田隆明氏が、世界におけるカーボンニュートラルの動向や、実現へのロードマップ、そして近年盛り上がりを見せつつあるClimateTech市場の在り方について解説した。

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2050年の脱炭素タイムリミットはすぐそこに

 2050年までのカーボンニュートラル実現は、決して平坦な道のりではない。「『2050年なんて先の話じゃないか』と思われる方もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。むしろ、2050年の目標達成のためには 『今すぐ動かなければ間に合わない』というのが現実です」と馬田隆明氏(以下、馬田氏)は危機感を示す。

 気候変動の主な要因は、二酸化炭素やメタンなどに代表される温室効果ガス(GHG)だ。GHGは大気中に留まり、温室のように熱を閉じ込める効果を持つ。これが地球上の気温上昇を招き、世界各地で猛威を振るう自然災害の要因となっているのである。

 現在、世界で毎年排出されるGHGの量は約590億トン。内訳は「エネルギー」で約240億トン、「産業」で約120億トン、「食料・農業」で約90億トン、「モビリティ」で約80億トン、「自然」で約60億トンと、私たちの生活やビジネスに深く関わる領域で膨大なGHGが排出されている。

 カーボンニュートラルを実現するためには、これらすべての領域でGHGを削減しなくてはならない。たとえばエネルギーの4割を占める石炭火力や、産業の6割を占める鉄鋼産業およびセメント産業には、構造的な転換が必要だ。

 伝説的なベンチャーキャピタリストでもあり、スタンフォード大学にサステナビリティ学部を創設したジョン・ドーア(John Doerr)氏の著作『SPEED & SCALE(スピード・アンド・スケール) 気候危機を解決するためのアクションプラン』(日本経済新聞出版)では、2050年までにGHGの排出量を現在の6分の1程度に削減し、残りの約100億トンを“除去”することでカーボンニュートラルを実現するとしている。そして、その実現には国や企業だけでなく、一人ひとりの速やかなアクションが必要だと馬田氏は訴える。

東京大学 FoundX ディレクター 馬田隆明氏
東京大学 FoundX ディレクター
馬田隆明氏

「日本における、自家用車の1台あたり平均使用年数は13.87年です。つまり、ガソリンを燃やして二酸化炭素を排出しながら動く自家用車が2036年以降にも販売されていた場合、カーボンニュートラルはかなり実現しづらくなります。『2035年までのEV転換』が昨今話題ですが、こうした背景から2035年がタイムリミットに設定されているわけです。さらに言えば、住宅の平均使用年数は約30年。今すぐにでも変わっていかなければ、2050年のカーボンニュートラルは年々難しくなっていくのです」

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島袋 龍太(シマブクロ リュウタ)

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